脱毛症

若はげが多い現代人

近年、若はげの人が非常に増えている。若はげは前頭部から頭頂部が薄くなってゆくもので、その部分の男性ホルモン作用によるといわれている。その部位にホルモンが働くと、皮脂腺が活動して皮脂の分泌が多くなる。この皮脂腺が毛根の周囲にあって毛根に作用するために、毛の寿命が短くなって脱毛しやすくなると考えられている。

現在これに対する根本的な治療法はなく、すべて補助的な治療法となっている。昔から脱毛すると洗髪しないほうがいいというような迷信があったが、洗髪はなるべく数多くしたほうがよい。頭に細菌が多くなって頭が臭うようになると、毛根に影響して脱毛が多くなるからである。

皮脂の分泌が多くふけの多い人は、アミノ酸系のシャンプーを用いる。市販の養毛剤もあるが特に効果を感じる人が少ない。

頭が梓くなるとやたら養毛剤をつけたがる人がいるが、それでも効かない時は頭の整髪料、ヘアトニックのような養毛剤といわれるものをすべて中止して経過をみるべきである。というのも整髪料や養毛剤で頭の地肌に接触皮膚炎を起こすことがあるからである。

そして副腎皮質ホルモンを含有したスプレーを使用してみる。痒みもふけも少なくなったら、発毛促進剤を使ってみる。それには血管拡張作用の強いといわれるものが がよい。単に塗るのではなく、地肌を強くマッサージしながらすりこむ必要がある。マッサージだけでも有効である。

円形脱毛症には

ある日突然、頭の一部がまるく脱毛していることがある。大きさは100円硬貨大から鶏卵大くらいまでいろいろである。自覚症状はたいていの場合なく、理髪店その他で初めて発見されることが多い。

ひどくなると円形の脱毛局面が多数できて、ほとんどの頭髪が脱落してしまうことがある。またまゆ毛、わき毛、陰毛など、全身に及ぶこともある。しかし円形脱毛症の大部分は脱毛局面が1ヶ所で、自然に放置しても4~5ヶ月で元に戻るのが普通である。

脱毛局面が多発した時は専門医の治療を受けなければならないが、1ヶ所の場合は局所療法だけで自然に放置した場合の3分の2くらいの期間で治っているケースが多い。

脱毛部の血管は細くなって、局所の栄養障害が起こっているので、その周辺を含めて頭皮のマッサージが必要である。また頭を温かくするために蒸しタオルで1日2~3回蒸すのは、治療を早める結果となる。

円形脱毛症の原因はわかっていないが、末楯神経障害説、ホルモン変調説、アレルギー説などがある。

コーヒー・タバコは髪に悪い!

髪は、血液の変化したもの、血の余りであると近頃では盛んに喧伝されている。髪のためには、食事で血液の状態をよくしてやることも大切である。

ふけ、かゆみ、抜毛など、はげる徴候があらわれたら、海藻、ごま、野菜などを多くとることを心掛ける。そして、カレーライス、コーヒー、タバコはなるべくひかえる。なにしろ髪は1日に0.4ミリも伸びるので、じっくり取り組めば、毛根が死んでいないかぎり、よい結果が出てくるのも早いはず。

6ヶ月を目安に使用する(発毛・育毛薬)