肝臓の薬

肝臓の働きと病息の原因

大切なことや、大事なことを肝腎要という言葉であらわすように、人体にとって肝臓は生命維持のための大事な臓器である。肝臓病で死亡する人は年間3万人以上といわれている。

慢性肝炎罹患者はわが国では120万人以上と推定されていて、その75%はウィルスによる肝炎(B型・C 型など)で、20% がアルコール性肝炎である。

肝臓病の原因には、外来性と内因性がある。身体の外からやってきて肝臓を悪くする外来性の原因として微生物(ウィルス性、細菌など)と化学物質(薬剤、アルコールなど) が挙げられる。

身体の内部に異常があって、肝臓を悪くする内因性のものには代謝、自己免疫、腫瘍などがある。ただしこの外的、内的原因の2つは、相互に密接な関係を持っている場合がある。

肝臓の働きは、大きく次の2つの機能に分けられる。

  1. 身体に必要な物質(たんばく質、血液凝固因子、胆汁、血液成分) を生産し、かつ蓄積しておくこと(糖、たんばく質、脂肪)。
  2. 有害物質を解毒すること。

つまり物質の代謝が盛んな器官ということである。肝機能は年とともに低下をきたすものであるが、肝臓の丈夫な人は、身体中の組織を活性化させ、いつまでも若々しい皮膚を保つことができて、美肌の持主ということになる。アルコールが体内に吸収されると、速やかにアルコールを分解する働きを肝臓が担うことになり、肝臓の中の酵素の作用で、アルコールは酸化を受け、アセトアルデヒドから酢酸を経て、さらに炭酸ガスと水とに分解して体外に排出される。

肝機能の優れた人は、酒を飲んでも悪酔いしないですむ。肝機能検査に異常はなくてもお酒を飲むとすぐ赤くなって気分の悪くなる人がいる。このような酒に弱い人は日本人では約半数であるとされている。
アルコールが肝臓で酸化されて生じたアセトアルデヒドがこの悪酔いの元凶で、このアセトアルデヒドを分解する酵素、アセトルデヒド脱水素酵素が充分でないと悪酔いすることになる。

西洋人ではこの酵素のない人は10%くらいといわれていて酒に強い人が多い。したがってアルコール中毒者も多くて社会的問題としてとりあげられている。

日本人では、ありがたいことに、この酵素のない人は50%にも達するので、アルコール中毒者は少ない。反対に、肝機能の悪い人は疲れやすく、吐きっぼい。

酒類や脂肪類の食物を受けつやつけないようになり、顔にシミができたり、カサカサした肌になって艶がなくなる。また右の肋骨の下が張るような、少し痛いような不快感におそわれる。

これは、いわゆる肝障害を伴う胃炎を起こすことが多い。こんな自覚症状のある人は、一度病院で尿や血液の生化学的な検査を受けて、病気か病気でないかを調べたほうがいい。

内臓の疾患では、胆のう結石、腎結石、胃けいれんなどをのぞくと、痛みを伴うことは少ない。痛まぬからこそふだんからの注意が肝要で、少しの変調にも目をむけてほしい。

肝臓の病気の人は、過労を避け、休養と睡眠時間は充分にとり、脂肪食はなるべく避けて消化のよい新鮮なたんばく質を充分に摂り、アルコールを断ち、不必要な観察を続けてゆくことである。

市販の強肝剤は効果があるのか

市販の強肝剤といわれているものには、肝機能を促進するもの、胆汁の分泌をよくするもの、肝臓を保護し働きをよくするものなどがある。
しかし肝臓という臓器は複雑で、作用についても、疾患についても、まだわからぬ点が多いのが実情である。

強肝剤の服用でこと足りると思うととりかえしのつかないことになる。現在市販されているいわゆる強肝剤は、肝臓に対する作用だけでなく、ビタミン剤、胆汁分泌促進剤、あるいは多種類の栄養剤が配合されており、疲労回復、二日酔い、食欲不振などのほかにつわり、食中毒、じんま疹などの解毒薬としても使われている。
脂肪肝、肝炎、肝硬変を追放するのは「強肝草エキス」

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