慢性関節リウマチ

朝方、手指のこわばりを感じたら疑ってみる

朝方、手指のこわばりを感じたら、疑ってみるリウマチは自己免疫疾患の一種で原因は不明である。わが国の総人口の0.3% がリウマチに罹患していると推定されている。

女性は男性よりもリウマチにかかりやすい。この病気の自覚症状としては、朝方の手指のコワバリが有名である。それから関節の腫脹と痛みがある。このような関節の変化はあちらこちらと関節を移動し、しかも対称的に関節が侵されてゆくのが普通である。最近ではリウマチの薬として、非ステロイド系の鎮痛抗炎症剤が多く用いられるようになった。

薬には次のようなものがある。インテバンP。このクスリはよく使われている。末稗組織でのサイタロオキシゲナーゼの作用を阻止することによってプロスタグランジン(発癌、起炎物質) の生成を抑制し、集痛と抗炎症作用を発挿するとされている。

同じょうな効果を発拝する非ステロイド系貴痛・抗炎症剤には、ナイキサン、ボンタール、などがある。なお、この病気は長い経過をたどることが多いので、医師とよく相談しながら治療することが大切となる。

頭痛

医者に見せなければ危険な「頭痛の原因となる」病気

頭痛は自覚症状として誰でも経験したことのある、もっとも一般的な痛みであるが、原因となる病気はさまざまである。頭痛の多くのものは、放置しても危険はないが、中には、生命の危険を警告していると解釈される頭痛もある。
長く続く場合、あるいは激しい痛みの場況合にはホームドクターに相談することである。
ここでは危険な頭痛の要因となるものを挙げてみる。

くも膜下出血
なんの予告もなく突然激しい頭痛が起こる。後頭部より肩にかけての筋肉が緊張して(項部強直)、ヘソを見ることができなくなる。嘔吐が始まり、意識障害も出てくる。このような場合には薬は無効で脳外科での開頭術が積極的治療となる。
脳腫瘍
腫瘍による圧迫、牽引のために痛みが起こる。この痛みは今日より明日というように日に日に強くなり、知覚、運動障害(視力低下、聴力低下、手足の運動が思うようにできないなど)が出てくる。
てんかんのようなけいれん発作を起こすこともある。初期には、皮質鎮痛剤が有効なこともあるが、だんだんとその効果はなくなってくる。早期に脳外科での手術が適応である。
脳膜炎
この場合には高熱、嘔吐、頭痛、意識障害が認められる。脳膜炎に対する原因的治療法が第一である。鎮痛剤としてはモルヒネが有効。
緑内障
眼球の内圧が高くなったために、痛みが出てくる。この痛みは前頭部痛、眼痛として訴えられる。嘔気を伴い視力、視野の障害も出てくる。放置すると失明の危険がある。一般的な鎮痛剤はほとんど無効で、痛みを取るためには、眼圧を正常値まで下げなくてはならない。
緑内障
血管性頭痛
片頭痛 この頭痛は、血管壁に分布している神経繊維が血管の拡張によって刺激されるために生ずる。炎症性疾患による高熱の際、二日酔い、一酸化炭素中毒などの頭痛はこれに相当する。片頭痛は血管性頭痛の代表的なもので、典型的片頭痛、一般型片頭痛、片麻痺型片頭痛、眼筋麻痺型片頭痛、群発片頭痛などのタイプに分けられている。
緊張型頭痛
この頭痛は頭部から肩にかけて締めつけられるような感じを伴った頭痛で、片頭痛の時の突発的な激しい痛みではない。数日、長い時には数十日も続き、後頭部、側頭部の筋肉に圧痛があり、マッサージ、上半身の体操、入浴、収縮した筋肉の過熱療法が有効である。

痛風

痛風の発作の予感がした時飲む薬・発作が起こった時に飲む薬

その昔、ニュートンも苦しんだという痛風は日本人にはめずらしい病気だという誤解が長い間あった。現在、痛風患者は50万人いるといわれている。この病気は血液中の尿酸の濃度が高くなり(高尿酸血症)、関節や腎臓、尿路、皮下などに尿酸塩が結晶となって析出した結果起こる病気で、特に足の親ゆびの付け根が、ひと晩のうちに赤くなって腫れ(足の発作・ポダグラ)、激しい痛みが続く場合が多い。核酸が体内で分解されると、尿酸となって尿に溶けて体外に排出される。
尿酸値を下げて痛風を治すための知識と習慣

血液1gの中の尿酸の平均は5.7mgであるが、肥満した人は尿酸値が高い。食餌療法と運動が、予防にも治療にも大切である。プリン体を多く含む食品(レバーなどのもつ類、きのこ、肉のエキス・スープ) を避け、水をたくさん飲んで尿量を1日2リットルくらいとし、運動をして標準体重を維持する。発作には必ず予感があるので、これを体得して1秒でも早く飲む。

痛風発作が起こった場合には、薬を内服すればよくなる。食餌療法や運動療法で高尿酸血症の治らない場合には服薬を生涯続けることになる。このような痛風治療剤としては、尿酸利尿剤と尿酸生合成抑制剤がある。腎臓に尿酸の結晶がたまるようになると腎不全を起こす。痛風の自覚症状がなくても、血液中の尿酸が10mg/dlになれば必ず尿酸低下薬を服用すること。8mg/dl以下の場合には食事療法をして定期的な検査を続けることでよいが、主治医に相談して決める。

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神経痛

「数秒間だが激烈な痛み」をやわらげるために

これは、一定の神経支配領域に起こる、発作性反復性の激烈な数秒間の痛みである。

誘因のあることが多く、誘発部位の刺激で惹起されるものがある。代表的な神経痛は、三叉神経痛、舌咽神経痛、大後頭神経痛、肋間神経痛、坐骨神経痛である。

三叉神経痛

この痛みは顔面の疼痛で下顎にくることが一番多い。治療薬としては抗けいれん剤のテグレトール、アレビアチンが有効で、普通の鎮痛剤はほとんど無効である。

舌咽神経痛

食事の際の嚥下運動で、舌根、咽頭、扁桃の部分から、下顎、耳、後頭部に向かって放散する痛みである。薬は前記の抗疼痛薬が効くが、舌咽神経の切断術が根治手術である。

大後頭神経痛

後頭部より肩にかけて痛みが走る。服薬は前記抗けいれん剤が効くが、神経ブロックがすすめられる。

肋間神経痛と坐骨神経痛

この神経痛は多くの場合、症候性神経痛である。原因のある場合にはその疾患の治療が優先するが、なにはともあれ痛みを止める場合には、前記抗けいれん剤にボルタレンなどの鎮痛剤を加えて服用する。
坐骨神経痛で筋肉のコリのある場合にはロバキシンなどの筋弛緩剤を加える。

筋肉の腫れと痛み

貼る、塗る、薬の数々

スポーツのあとに筋肉や関節が痛みだし、腫れた場合や肩の筋肉の痛みに、また打身、ねんざなどの痛みに、昔から使用されている貼布薬には、トクホンサロンパスなどがあり、サリチル酸メチル、メントールなどを含有し、鎮痛・消炎作用がすぐれている。

風呂上がりに筋肉の痛んでいるところに貼布する。他に液状の薬もあるが効果は同様である。

打身、ねんざ、腰痛、筋肉痛、リウマチ、神経痛などには、布に薬を塗布したパップ剤のパテックスなどがある。主成分はサリチル酸メチル、ヵンフル、メントールなどで、鏡痛・消炎作用を期待した製品である。

鎮痛剤

痛みのメカニズム

「痛み」とは、全身のほとんどすべての部位に分布する神経末端の受容器が刺激されて起こる感覚で、大脳皮質の痛覚中枢において「異常状態発生」がキャッチされたことを意味している。

痛みがどのようなメカニズムで起こってくるかについては不明の点が多い。最近ではヒスタミン、プロスタグランジンなどの発病物質と痛みの関係が研究されている。
痛みの持続する場合には、なにはともあれ鎮痛剤によって痛みをとることが先決で、それから「どうして痛くなったのか」を追究することになる。ただ単に痛みがなくなったからと、安心するわけにはいかないのである。鎮痛剤は3つに大別される。

皮質性鎮痛剤

この薬は大脳皮質の痛覚中枢に作用して鎮痛効果を発揮する。モルヒネに代表される薬である。

視丘性鎮痛剤

この薬にはアスピリン、フェナセチン、スルピリンなどよく知られているものが多い。解熱剤としても使われる。間脳にある視丘体に作用する。

末梢性鎮痛剤

末梢の受容器から中枢に向かう痛覚伝導路に作用する薬で、コカイン、新しい非ステロイド系鏡痛・抗炎症剤がこれに相当する。

鎮痛剤一覧