脳卒中

脳出血、脳梗塞、くも膜下出血の 原因と治療

脳卒中は脳の血流障害によって急に意識を失ったり、半身不随や嘉障害などが起こってくる病気で、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などがある。タイプによって手当や治療が違う。

脳出血の原因としては、高血圧性脳出血が頻度としては一番多くて、寒い季節、高血圧の人に起こる傾向がある。たとえば、元気に仕事をしていた人が突然その場に倒れ、意識がなくなり半身不随となり、嘔吐、尿失禁を認め、医師の往診で脳出血とわかる。
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大出血を脳の中で起こしている場合には、意識障害も強く起こり、呼吸が異常となり、大きないびきをかき、ときには全身のけいれんを起こすこともある。

はじめての卒中発作でその約40% は数日内に死亡するが、1週間以上生存しえた場合には生命の予後は比較的良好といえる。

脳出血の予防は高血圧の治療と予防を心がけることが一番大切である。脳梗塞には脳血栓と脳塞栓の2つがある。脳血栓は、もともと脳動脈硬化が基礎疾患としてあり、その硬化した動脈壁に血液が凝固して血栓を形成してくる場合で、症状は段階的に進行する。

言語障害などもだんだんと進行してゆく。脳塞栓は、脳出血の場合と同じく突然起こることがしばしばで、その基礎疾患として、心臓病、不整脈(心房細動)、頚動脈や大動脈に病変が認められていることが多い。

前記の疾患によってできあがっていた血栓が血流ではこばれてきて、脳動脈につまるわけである。したがって脳出血の場合と違って季節的な影響は少ない。

また、「片方の手や足が数分動かなくなった」、「まるでカーテンを引いたように目の前が暗くなる」などの前ぶれがあるのが特徴である。脳を包んでいる三層の膜のうち、外から二番目のものをくも膜という。くも膜下出血の80% は脳動脈瘤の破裂によって起こっている。そのほかの原因として、高血圧、動静脈奇形、動脈硬化、腫瘍、炎症、頭部外傷、出血素因などが挙げられている。

症状は多くの場合、突然に後頭部痛、項部硬直、嘔吐が起こり意識が障害され、24時間内に15%が死亡する。治療は脳外科医の関頭術による動脈瘤のクリッピングである。

こんな症状の時は病院への移送も危険

脳卒中の患者は、可能な限り入院治療を原則とし、医師の指示に従うことである。病院への移送が困難な状態としては次のような点が挙げられている。血圧の著明な低下、深い昏睡状態、呼吸の乱れが著しい、両側瞳孔散大対光反射消失、体温の低下、除脳硬直を認める、などである。

このよどうこううな状態で移送する場合には、途中で死亡する危険性が大きくなる。脳卒中急性期の治療には医師と看護婦のチームワークが要求される。
呼吸、血圧、脳圧、補液栄養補給が大事。

投与する薬は、死に瀕している脳細胞を助けるためのもので、脳圧を下げ、脳の血流と代謝を正常に戻し、血液性状を改善する薬であることが要求される。

リハビリについて

脳卒中の後遺症として四肢の運動マヒ、言語障害、知覚障害の残ることが多いので、リハビリテーションを行うことになる。一般的には臥床期からはじめる。体位変換、他動運動、自助他動運動、自動運動、起坐訓練、起立訓練、歩行訓練の順に進めていく。理学療法士、作業療法士らの専門の訓練士の指導を受けて気長に努力することで、四肢の麻痺はかなりの程度まで回復することが多い。

失語症のリハビリテーションは、四肢の麻痺回復ほどには効果のあがらない場合が多い。脳の損傷部位により言葉の理解が障害されている場合と、表現が障害されている場合の2つがある。いずれも言語療法士によって行われることが原則。言葉や文字の訓練をして社会復帰を目指すには、長い期間を覚悟して、患者、医師、療法士、家族の協力が必要である。

脳梗塞の治療に使われる薬はこちら。