Ca拮抗薬(カルシウム拮抗薬)降圧剤

血管を拡張して、血液の流れをよくすることによって血圧を下げる薬です。降圧剤として最も広く用いられる薬で、高血圧の治療のほか、狭心症の改善にも使われます。

成分名
  • ニフェジピン
  • アムロジピン
  • シルニジピン
  • ジルチアゼム
  • ニルバジピンン
  • エホニジピン
薬品名
  • アダラート
  • セミパット
  • アムロジン
  • ノルバスク
  • アテレック
  • コニール
  • カルブロック
  • ベルジピン
  • ヘルベッサー
  • ニバジール
  • ランデル
  • カルスロット

Ca拮抗薬(カルシウム拮抗薬)とは

血管の収縮・弛媛には、血管平滑筋(血管壁内の筋肉)へのカルシウムイオンという物質の流入が大きく関わっています。血管の筋肉にこの物質が流入すると、血管が収縮し、血圧が上昇します。Ca(カルシウム)括抗薬は、血管平滑筋へのカルシウムイオンの流入をブロックして血管を拡張させ、血圧を低下させます。
血管が拡張すると血流もよくなり、脳や心臓、腎臓の保護にもプラスに働きます。

注意点

Ca拮抗薬と、グレープフルーツなど柑橘系の果物を一緒にとらないでください。薬の作用が増強するため、血圧が下がり過ぎて、めまいやふらつきなどの症状が起こることがあります。

むくみ、頭痛、動悸、顔のほてり、便秘などの副作用が現れることもあるので注意しましょう。Ca括抗薬は、主に肝臓で代謝されるので、肝機能が低下している人は、見直しが必要かもしれません。

こんなときは、医師・薬剤師に相談

Ca括抗薬の服用を中止すると、狭心症の悪化や血圧の上昇などを引き起こす可能性があるので、自己判断で勝手に薬を中断してはいけません。
Ca括抗薬の重大な副作用として、劇症肝炎や肝機能障害、黄痘、血小板や白血球の減少などが報告されています。体のだるさや食欲不振、むくみ、白目が黄色くなるなどの肝機能低下の症状が現れたら、医師か薬剤師に相談しましょう。

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SGLT2(SGLT2阻害薬)糖尿病薬

SGLT2は、腎臓に作用するタイプの血糖降下薬です。腎臓におけるブドウ糖の再吸収を抑制する働きがあり、血中の余分な糖が尿中に排出され、血糖値が下がります。

成分名
  • イプラグリフロジン
  • ダパグリフロジン
  • イセオグリフロジン
  • トホグリフロジン
薬品名
  • スーグラ
  • フォシーガ
  • ルセフィ
  • アプルウェイ
  • カナグル
  • ジャディアンス

SGLT2(SGLT2阻害薬)ってどんな薬

血液中のブドウ糖は通常、尿と一緒に排出されず、腎臓の近位尿細管というところで血液中に再吸収されます。SGLT2には、腎臓におけるブドウ糖の再吸収に問わるタンパク質を阻害する働きがあります。

この作用で血液中の余分な糖が尿塘として排出されるのを促し、血糖値を低下させます。食後や食前などにかかわらず、血糖値が高くなっているときに尿糖を増やして血糖値を下げます。

注意点

SGLT2を服用すると多尿・頻尿になりやすく、脱水を起こしやすいので、注意が必要です。特に、高齢者や利尿剤を併用している人は脱水を起こしやすいので、要注意。

夏場はもちろん、のどが渇かない夏以外の時季も、小まめな水分補給を心がけてください。また、SGLT2を服用すると糖が尿中に排出されるため、体重減少効果が期待できますが、過度な体重減少には要注意です。

こんなときは医師または薬剤師にすぐ相談

尿糖が増えること自体はさほど心配はいりませんが、尿に糖が出ると細菌に感染ぼうこうえんしやすくなるので、膀胱炎など泌尿器の感染症や性器感染症を起こすことがあります。

特に女性は、尿路感染症や性器感染症を起こしやすくなります。排尿時に痛む、残尿感がある、尿が濁ったり血が混じったりする、陰部がかゆいなどの異常を感じたら、恥ずかしがらずに医師に相談してください。
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α-GI薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)糖尿病薬

食前に服用して、食後の高血糖を改善する薬です。食事でとった糖質を分解して血糖値を上げるα-グルコシダーゼという酵素の働きを阻害して、食後の血糖値の上昇を抑えます。

成分名
  • アカルボース
  • グリボース
  • ミグリトール
薬品名
  • グルコバイ
  • ベイスン
  • セイブル

α-GI薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)とは

食事でとった糖質は、小腸でα-グルコシダーゼという酵素の働きでブドウ糖に分解されます。そして、小腸から吸収されたブドウ糖が血液中に放出され、食後に血糖値が急上昇します。
α-GI薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)はα-グルコシダーゼの働きを阻害して、小腸での糖質の分解・吸収をゆるやかにし、食後の急激な血糖値の上昇を抑えます。単独で用いるだけでなく、他の糖尿病薬と併用されることも多い薬です。

注意点

α-GI薬は必ず、食事の直前に服用することがポイント。食事中に服用し忘れに気づいたら、すぐに服用すれば問題ありません。

しかし、食後しばらく経ってから飲み忘れに気づいた場合は、効果はないので服用しても意味はありません。また、α-GI薬は小腸での糖の吸収を遅らせる薬なので、腸内細菌に作用してお腹の張りやおなら、下痢などの副作用が現れることもあります。

こんなときはすぐに医師または薬剤師に相談

α-GI薬は、単独では低血糖を起こしにくい薬ですが、SU薬など他の血糖降下薬との併用で低血糖が起こることがあります。

症状があらわれたらすぐにブドウ糖を摂取すること。糖質の分解を遅らせる薬なので分解が必要な砂糖をとっても、低血糖を解消できません。肝機能障害が起こることもあるので、だるさや黄疸などに注意して気になる場合は医師や薬剤師に相談してください。
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TZD薬(チアゾリジン薬)糖尿病薬

インスリンへの反応を改善する薬の一種で、主に脂肪細胞に結合してインスリンの働きを改善することにより、血糖値を低下させます。肥満傾向の糖尿病患者に多く使用される薬です。

成分名
ビオグリタゾン塩酸塩
薬品名
アクトス

TZD薬(チアゾリジン薬)とは

インスリンは肝臓や筋肉、脂肪における糖の取り込みを促すことによって、血糖値を調整します。しかし、肥満や糖尿病の人は、インスリンが作用する細胞のインスリンに対する反応が鈍くなり、血糖値が下がりにくくなります。

これがインスリン収博拓性ですが、TZD薬は、インスリン抵抗性を改善することで血糖値を低下させます。インスリンの分泌自体を促す作用はありません。

注意点

TZD薬を服用すると、食欲が増して、体重が増えることがあります。体内に水分がたまりやすくなり、むくみが生じることもあります。

体重を維持するためにも、医師から指示された食事療法や運動療法を続けることが大切です。SU薬を併用している人や女性は、むくみが現れやすいので、塩分のとり過ぎに注意を。服用中にむくみや急激な体重増加が現れたら、医師に相談しましょう。

こんなときはすぐに医師または薬剤師に相談

まれに副作用として心不全の憎悪、発症(動悸や息切れ)、肝機能障害などを来すことがあります。
過去に心不全を起こした人、肝炎や肝硬変などを合併している人にはTZD薬は使用できません。もともと肝機能がよくない人は特に、定期的なチェックが必要です。
体のだるさ、食欲不振、微熱、むくみ、黄疸など肝機能異常の症状があらわれた場合は、医師、か薬剤師に相談してください。
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BG薬(ビグアナイド薬)糖尿病薬

インスリンの反応を改善する薬で、肝臓で糖が作られるのを抑制して、筋肉で糖が効率よく使われるのを助けます。これによってインスリンの効き目がよくなり血糖値が安定します。

成分名
  • ブホルミン塩酸塩
  • メチホルミン塩酸塩
薬品名
  • ジベトス
  • メトグルコ

BG薬(ビグアナイド薬)とは

肝臓で過剰にブドウ糖が作られ、血中に供給されることが高血糖の一因です。BG薬は、肝臓の過剰な糖の放出を抑え、同時に筋肉や脂肪におけるブドウ糖の取り込みを促して、インスリンへの反応を改善し、インスリンの働きをよくして、血糖値を下げます。
小腸での糖の吸収も抑えます。これらの相乗作用で、1日の血糖値を全体的に下げる効果を発揮します。肥満型の糖尿病にも有効です。

注意点

脱水状態になると、乳酸アシドーシスを起こしたり、腎機能が低下したりすることがあるので、十分な水分補給をしましょう。

お酒を多く飲む人や、他に利尿薬や利尿作用のある薬を服用している人、高齢の人などは特に脱水になりやすいので、注意が必要です。飲酒時は必ず水分を一緒にとり、普段から意識して小まめに水分を補給するように心がけてください。

こんなときはすぐに医師または薬剤師に相談

非常にまれですが、重大な副作用として、乳酸アシドーシスという状態に陥ります。乳酸アシドーシスは、血液中に乳酸が過剰に蓄積して、血液が酸性に傾くことで生じます。

嘔吐や腹痛、筋肉のけいれん、脱力感に始まり、進行すると脱水や低血圧、ショック状態、全身けいれん、傾眠(うとうとする)などの症状が現れ、放置すると死に至ります。症状が現れたら、すぐ医師の診療を受けてください。
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DPP-4阻害薬 糖尿病薬

インクレチンというホルモンの分解を防ぎ、高血糖のときだけインスリン分泌を促す薬です。数年前に登場した新しい薬ですが、現在、血糖降下薬の主流となっています。

成分名
  • シタグリプチン
  • ビルダグリプtンン
  • アログリプチン
  • サキサグリプチン
  • トレラグリプチン
薬品名
  • ジャヌビア
  • グラクティブ
  • エクア
  • ネシーナ
  • トラゼンタ
  • テネリア
  • スイニー
  • オングリザ
  • ザファテック
  • マリゼブ
  • DPP-4阻害薬とは

    食後に血糖値が上がると、腸管からインクレチンというホルモンが分泌されますが、これがすい臓のβ 細胞を刺激してインスリン分泌を促します。

    血液中のDPP-4という酵素にはインクレチンを分解する働きがあります。DPP-4阻害薬は、DPP-4を阻害してインクレチンの分解を防ぎ、インクレチンの作用を持続させます。インスリンの分泌が高まり、高血糖が改善します。

    注意点

    DPP-4阻害薬は高血糖のときだけ効果を発揮するため、単独では低血糖を起こしにくい薬とされています。ところが、SU薬など他の血糖降下薬を併用している場合は、低血糖を起こすことがあります。

    低血糖が起ったら、すぐに糖分(砂糖やブドウ糖など)を摂取してください。副作用が少なく、比較的安全に使えますが、お腹の張りや便秘などの消化器症状が現れることがあります。

    こんなときはすぐに医師または薬剤師に相談

    DPP-4阻害薬は、他の血糖降下薬と併用して処方されることが多い薬です。他の薬と一緒に服用して、頻繁に低血糖を起こすような場合には、薬の種類や服用量の見直しが必要になるので、主治医に相談しましょう。また、腎障害や肝障害のある人の場合は、服用する際には注意が必要です。そこで、定期的に検査を受けて、医師の指示のもとで服用することが大切です。
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    グリニド薬(速効型インスリン分泌促進薬)糖尿病薬

    グリニド薬は、即効型インスリン分泌促進薬と呼ばれます。SU薬と同様、すい臓に直接作用してインスリン分泌を刺激しますが、SU薬よりも作用が早く現れるのが特徴です。

    成分名
    • ナテグリニド
    • ミチグリニド
    • レパグリニド
    薬品名
    • ファステック
    • スターシス
    • グルファスト
    • シュアポスト

    グリニド薬(速効型インスリン分泌促進薬)とは

    グリニド薬は、たSU薬と同様に、すい臓のβ細胞の細胞膜上にあるSU受容体という場所に結合し、インスリンの分泌を促進して血糖値を下げます。

    SU薬よりも体内への吸収が早く、作用が早く現れ、続く時問が短いのも特徴です。食事時のインスリン分泌が不十分で、食後高血糖(食後2時問後の血糖値が140mg/dl以上)になる2型糖尿病患者に用いられます。

    注意点

    グリニド薬は、食後高血糖をピンポイントで改善する薬でおおむね服用後は15~30分で効果が現れ、2~3時間しか持続しません。
    そのため、1日3回毎食直前(食事の10分前)に服用するというルールをきとんと守ることが重要なポイントです。服用してから食事を食べ始めるまでに30分以上たつと、インスリンが分泌されるタイミングがずれて低血糖を起こす可能性があります。

    こんなときはすぐに医師または薬剤師に相談

    グリニド薬はSU薬などに比べて低血糖を起こす危険性は低いとされているものの肝機能や腎機能が低下している人や他の血糖降下薬を併用している場合は、低血糖が起こりやすくなるので、医師や薬剤師に相談するなど注意が必要です。
    重大な副作用としては肝機能障害や心筋梗塞があります。
    重篤な腎機能障害、重症感染症、手術前後、妊婦または妊娠の可能性のある人は使用できません。
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    SU薬(スルフォニル尿素薬)糖尿病薬

    経口血糖降下薬の中では最も古く、40年以上前から使われています。すい臓に作用してインスリンの分泌を促し、血糖の状態にかかわらず1日の血糖値を全体的に下げます。

    成分名
    • アセトヘキサミド
    • クロルプロパミド
    • テキスト
    • グリクロピラミド

    • グリベンクラミド
    • グリクラジド
    • グリメピリド
    薬品名
    • ジメリン
    • アベマイド
    • デアメリンS
    • イグルコン

    SU薬(スルフォニル尿素薬)とは

    血糖値を下げるホルモンであるインスリンは、すい臓のβ 細胞で分泌されます。SU薬は、すい臓のβ 細胞の細胞膜上にあるSU受容体(スルフォニル尿素受容体)という場所に結合し、インスリンの分泌を促進します。
    これによって、服用後短時間で血糖値を下げます。すい臓に直接作用してインスリンの分泌を促すので、血糖値を下げる力は強力です。他のタイプの薬と併用されることも多い薬です。

    注意点

    SU薬の服用を始めても、食事療法や運動療法をしっかり続けることが大切です。

    SU薬でインスリンの分泌量が増えて血糖値が下がると、空腹感が強くなって食べ過ぎを招き、体重が増えやすくなります。肥満になるとインスリンの効きが悪くなり、血糖コントロールがうまくいかなくなり、薬の増量や追加といった悪循環に陥りかねません。食事と運動に注意し、適切な体重を維持しましょう。

    こんなときはすぐに医師または薬剤師に相談

    SU薬は強制的にインスリンを分泌させるので、食事時問がずれたり、病気などで食事量が少なかったりすると、薬の作用が強く現れ過ぎて低血糖を起こしやすくなります。

    動悸や冷や汗、手足のふるえなど低血糖の症状が現れたら、すぐにブドウ糖などを摂取し、頻度が多い場合は、医師や薬剤師に相談してください。発疹やかゆみ、貧血などが現れた場合も、同様です。
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    生殖器の炎症

    経前や排卵期では症状が違ってくる

    女性生殖器からはつねにいろいろな分泌物が膣から排出されている。これをおりものと呼んでいる。正常なおりものは、透明か乳白色をしていて、量などは個人差がある。

    しかし、おりものの色が、淡黄色、淡褐色、ピンク色、褐色といったように色が濃くなったり、色が変わったり、量が増えたり、悪臭をはなったり、外陰部に痒みがあったり、粘膜が赤く腫れたりしたら、なんらかの病気を疑ってよいだろう。

    このような症状を呈する場合は膣炎が多く、子宮に炎症があっても起こるから、女性生殖器の異常の目安にもなる。膣の炎症で多いのは、細菌あるいはトリコモナスという原虫とカンジダというカビの寄生によるものである。いずれも痔く、炎症が進行すると病的なおりものがある。
    難治性の炎症にはアレルギー性とヘルペスウィルスによるものがある。

    月経前や排卵期、妊娠期などにおりものがある場合がある。このような時は、エストロゲンの増量か骨盤内のうっ血によるもので病気ではない。心因性によるものであれば、「精神神経安定剤」を用いるのもよい。

    膣カンジダ再発の薬

    不正出血

    まずきちんと検査して原因をつきとめよう

    一般に周期的な月経以外の出血を不正性器出血という。それが器質的な疾患から生じたものか、あるいは内分泌異常に基づく出血なのか、または全身的な血液疾患によるものなのか、それぞれの症例に応じて対処せねばならない。

    器質的な疾患があって出血する場合としては、子宮筋腫、子宮ガン、外陰部ならびに膣の外傷などがある。血液疾患などによる出血性素因による出血も考慮しなくてはならない。

    いろいろな検査を実施した結果、性器には異常がない。内科的な疾患による出血性素因も否定されるということになるとはじめて、機能性不正性器出血と診断される。

    この場合には性ホルモン剤の投与が有効となる。若年者に多い排卵障害による不正出血は、排卵によってはじめて形成される黄体の成熟が充分でないために、黄体ホルモンの分泌が障害されて不正出血が起こっている。

    黄体ホルモンあるいは黄体ホルモンプラス卵胞ホルモンの投与が有効である。

    熟年婦人の機能性不正性器出血は、卵胞期、中間期、黄体期、月経後に分けて治療されていて、それぞれ卵胞ホルモン、止血剤、黄体ホルモンが有効である。
    月経のあがりがすっきりとしない過長月経には卵胞ホルモン投与が効く。更年期の不正出血は器質的な疾患を考慮して充分な検査を実施し、子宮ガンなどの器質的疾患が完全に否定されてからホルモン療法を行う。一般的には微量の卵胞ホルモンが投与される。