胃弱の人にすすめたい、胃の働きをよくする薬と生活のポイント
俗に「胃弱」といわれ、太れないタイプの人がいる。ダイエットに苦しむ人から見れば全くうらやましい体質のように見えるが、医学的見地に立てば、あまり健康的とはいえない。
暴飲暴食をしなくてもなんとなく胃がもたれる。手で胃のあたりを叩くとピチャピチャという音がする 。こんな自覚症状のある人は胃下垂であることが多い。
日本人の約3分の1は、胃下垂があるといわれている。ただ胃が下がっていても、胃の機能が正常であるならば、不快な症状があらわれることはなく病気とはいえない。
胃下垂があって胃機能が低下し、いろいろな自覚症状を呈する胃下垂症の人は、である。胃下垂の人の半数以下の胃の型は、大きく分けると「釣り針型」と「牛のツノ型」の2つとなる。一般的に「牛のツノ型」はガッチリした体格の人に多く、「釣り針型」はやせた人に多い。
胃下垂の診断は、胃X線検査によりすぐわかる。胃下垂の人には胃アトニー(胃無力症) を合併して症状の出てくることが多いようである。
胃アトニーの症状としては、胃壁が弛緩して、たえず胃の張った感じが続き、少し食べてもすぐに満腹感になる場合が多い。
胃下垂症、胃アトニーがあって、胃弱を訴える人には、胃液の分泌と胃の運動をよくする作用を持った薬がよいわけで、さらに消化酵素が加えられているものが望ましい。
このような作用をもった胃腸薬としては、ガロニン錠、、ワクナガ胃腸薬Gなどがある。
こうした薬物療法とともに、「胃弱」の人は、精神療法、食餌療法が必要である。胃下垂があっても気にしてはいけない。胃下垂症の基本には神経症的な性格傾向、自律神経失調、無力性体質などが複雑にからんでいるのであって、これらが胃下垂症の発病症状、経過に影響を及ぼす。
小さなことにくよくよしないで規則正しい正常生活を心掛け、毎日全身の運動を実行し、疲れてぐっすり睡眠をとることである。食事は良質のたんばく質と糖質を消化のよい状態に調理して、1回量を少なく食べる。ミネラル、ビタミン類は野菜、果実より補給する。
食事の回数は1日に4回あるいは5回として規則正しくすることである。食後は30分間くらい横になると胃の消化と運動によい影響を与える。