ものもらい 十味敗毒湯 の初期症状に漢方薬!が持つ「化膿を抑え排膿を促す」効果について紹介したいと思います。
ものもらい 十味敗毒湯 の初期症状に漢方薬
まぶたの腫れや赤みが気になり始めた、ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)の初期症状。そんな時に注目したいのが、江戸時代の名医・華岡青洲が創製したとされる漢方薬「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」です。
この漢方薬は、その名の通り10種類の生薬から成り、皮膚に現れた炎症や化膿の原因となる「毒」を体外に排出し(敗毒)、腫れや赤みを鎮める働きがあります。
特に、赤みと腫れがあり、わずかに化膿が始まった急性期の皮膚トラブルに適応するとされる十味敗毒湯が、ものもらいの初期段階にどのように働きかけ、「化膿を抑え排膿を促す」効果を発揮するのかを解説します。
「ものもらい」(麦粒腫や霰粒腫など)の初期症状に対して用いられる漢方薬、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)が持つ「化膿を抑え排膿を促す」効果は、主に以下の生薬の働きによるものです。
「ものもらい」(麦粒腫や霰粒腫など)の初期症状に対して用いられる漢方薬、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)が持つ「化膿を抑え排膿を促す」効果は、主に以下の生薬の働きによるものです。
十味敗毒湯の作用
- 排膿作用(膿を出す作用)
- 桔梗(ききょう)や桜皮(おうひ)などの生薬が、皮膚に溜まった膿(毒素)を体外へ排出しやすくする働きがあります。
- 抗炎症・清熱作用(化膿を抑え、炎症を鎮める作用)
- 柴胡(さいこ)、防風(ぼうふう)、荊芥(けいがい)などの生薬が、皮膚の熱(炎症)や湿(余分な水分や膿の元)を取り除き、赤みや腫れを鎮めます。
- これにより、化膿の進行を抑える効果が期待できます。
- 血行促進作用
- 川芎(せんきゅう)などの生薬が血行を良くし、炎症を起こしている患部への栄養供給や老廃物の排出を促すことで、皮膚の治りを早めるサポートをします。
漢方的な考え方
漢方では、ものもらいなどの化膿性の皮膚疾患は、体内に溜まった「熱」や「湿」、「毒」が原因で起こると考えます。十味敗毒湯は、これらの生薬が協調して働き、「毒」を発散・排出させる(「敗毒」)ことで、皮膚トラブルを体の内側から改善することを目指します。
ものもらいの初期段階で、赤みがあり、腫れて、ときに少し膿を伴うような症状に適しているとされています。