ガン

2人に1人がガンで亡くなる時代

死因統計を見ると、昭和56年以降、第1位の座はガンによって占められており、ガンによる死亡数ならびに死亡率は確実に増えている。死亡数は平成元年には21万人、平成4年23万2千人、平成5年23万7千人であり、このところガンによる死亡数は一年間に平均的5千人の割合で増加している。

ガンの原因

正常な細胞が狂暴なガン細胞に変身する原因としては、「ガン遺伝子」の活性化が挙げられている。もともとこのガン遺伝子は、普通の正常な細胞の染色体の中に組みこまれているのであるが、正常の場合はガン抑制遺伝子によってその活性化が抑えられている。

ところがなにかの原因によって、このガン遺伝子とガン抑制遺伝子のバランスが崩壊すると、ガン細がんか胞が発生することになる。細胞の癌化である。このバランスの崩壊を促進する因子としては、放射線、紫外線、ある種のウィルス、または直接的に、あるいは間接的に遺伝子を傷害する物質が挙げられている。

最後に挙げた損害物質は、消化器、呼吸器、皮膚を通って侵入してくる場合と、身体の中でで生成される場合とがある。しかしそれ以外に、一生を通じて内部環境に影響を与える「生活習慣」(ライフスタイル)を見逃すことはできない。

この生活習慣と遺伝子の傷害については、大阪大学医学部の森本兼嚢教授(環境医学)によって、染色体色分け技術を指標とした「森本の8つの健康習慣」が報告されている。

ガンの予防法

正常な細胞がガン細胞に変身する原因は、発ガン遺伝子の活性化である。したがって、その予防法は遺伝子傷害因子を遮断あるいは除去することである。国立がんセンター総長杉村隆先生の勧める「ガン予防12力条」を実行されている方は多いと思われるが、それに加えて前述の「森本の8つの健康習慣」を考慮すると次のような予防法が勧められる。
生活習慣からガンを予防する

  1. 禁煙と節酒を実行する。
  2. 食生活では朝昼晩と規則的食事を心がける。
  3. 糖質・脂質・たんばく質・ミネラルをバランスよく食べる。
  4. 1日に食品数としては30品目以上を揃え、毎日変化のある食品の摂取を実行する。
  5. 食塩と脂肪は控え目にとる。
  6. 魚、肉、ごはんなどのこげた部分や、カビの生えたものは食べない。熱いものはさまして食べる。
  7. 食物繊維は多めに、特に緑黄色野菜を多くする。
  8. ビタミンは、Aは適量を、C 、E 、カロチンを多くする。
  9. 直射日光は10分間以上は当㌧ないようにする。
  10. 全身を使った適度な運動を心掛ける。
  11. 睡眠は7時間以上とる。
  12. 過労を避ける。
  13. 自覚されるストレスの強い場合には、避けるように努める。
  14. 体を清潔に保つ。。

以上「健康14か条」。
睡眠時間は7時間以上はとても重要です。

臓器別のガン対策

胃がん
男性と女性では羅漢するガンの種類に違いが表われるが、両性ともに胃ガンが断然多くて1位を占めている。死因統計から見ると男性非が多い、ただし、近年胃ガンは男女ともに急激な減少傾向を示していて、この20数年間に年齢調整死亡率で見る限り45% 以上の減少である。

胃ガンで亡くなる人が減ったのは、早期発見による手術症例が多くなったためだけではない。胃ガンそのものが男女ともに減っているのである。このような胃ガン羅患率の減少は、食生活を中心とした生活習慣(ライフスタイル)の変化によるものと考えられる。

心配な人は前述のガン予防法を実行していただきたい。胃ガンの初期には自覚症状はほとんどないため、年1回の健康診断が必要となる。自覚症状の訴えが出た時点では、胃ガンの病期は相当に進行していて、手術の効果は期待できない場合が多い。

胃ガンを早期発見するための検査には2つある。X線造影検査と内視鏡検査である。

水に溶かしたバリウムを飲んで胃の内部を観察するX線検査は、人間ドックで行なわれている一般的な検査である。ここでなにか異常な粘膜の変化をとらえた場合には、胃内視鏡悪査を受けることになる。

胃ガンの治療は、基本的には手術してガン細胞を全部取り除くことになる。この場合、胃を全部切り取る全摘手術と、胃の一部を切除する部分切除に分かれる。
このどちらの手術方法かは、ガンの存在している部位とガンの広がり具合によって決められる。また最近では、胃内祝焉組織切除法によるガン病変部の除去が行われている。これは非常に初期の胃ガンに適用される切除法で、外来通院で手術は終わり患者にとっては楽である。
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肺がん
肺ガンはこのところ急激に増加しておりこの十年間では40% 近くも増えている。胃ガンに代わって、肺ガンによる死亡数がトップに立つのは時間の問題となった。

肺ガンの元凶として喫煙の害が指摘されるようになって久しい。タバコの煙の中のタール成分には多くの発ガン物質が含まれていて、細胞をガン化させるイニシエーターもプロモーターも十分量含まれている。

代表的な発ガン物質はベンツピレンとニトロソ化合物であるが、これらの物質が気管支の粘膜ならびに肺の細胞に入りこんで遺伝子を侵害することになり、肺ガンとなる。

プリックマン指数という言葉を耳にした方は、喫煙者の中では多いと思われる。1日吸うタバコの本数に喫煙年数を掛けた数値のことで、この指数の高い人ほど発ガンの危険性は高くなる。毎日20本のタバコを20年間吸い続けた場合には、ブリックマン指数は四400となる。400を超えると発ガンの危険域に入ったと考えられる。

肺ガンの自覚症状で多いものは血痰と咳。かぜをひいて咳の止まらない場合とか、痰に血液の混入してくる場合には、ためらわずに呼吸器科を受診すること。
早期の肺ガンが発見される場合がよくある。肺ガンの早期発見には痰の中の細胞を顕微鏡検査してガン細胞を見つけ出す方法がある。今の方法は、胸部X線写真を撮ることである。この噂疾検査と胸部X線写真を定期的に受けることが、肺ガンの早期発見に役立つ。

近親者に肺ガンの病歴のあるの人は、年に2二回の定期検査を受けることをお勧めする。肺ガンのタイプには、偏平上皮ガンがもっとも多く40% を占めている。肺の扁平上皮ガン治療による口内炎、しびれが結晶ゲルマで治まった
これは肺の入口の肺門と大きな気管支の粘膜にできてくるので、胸部X線写真で早期発見するのはむずかしい。ただし悲観することはない。このガン細胞は脱落して痰の中に混入されているので、喀痰細胞診を受ければ早期発見が可能となる。

次に多い肺ガンは腺ガンで、肺ガンの40% 近い羅患率であり、女性に多い。喫煙の影響は少ないといわれている。幸いなことに肺門部から離れた肺野に出てくるので、胸部X線写真で早期発見が可能である。
逆に喀痰検査で発見するのはむずかしい。

3番目に多い肺ガンは、小細胞ガンで全肺ガンの15%を占めている。肺門部に発生することが多く、しかも気管支粘膜の下に隠れて発生するので、胸部X 線写真でも喀痰細胞診でも、早期発見はむずかしい。
転移を早期に起こすたちの悪いガンである。タバコをやめて予防することが肝要である。肺ガンの治療は第一に手術である。手術後の5年生存率は向上してきている。手術の不可能な場合には、抗ガン剤の投与が行なわれている。しかし、抗ガン剤にも耐性がでてきて、はじめは有効であっても投与期間が長くなると無効となって副作用が前面にでてくる。

大腸ガン
大腸ガンも増加している。原因は、遺伝的な素因よりも、食生活の欧米化による食品の量と質の問題が挙げられている。日本人の食生活が欧米化して脂肪と肉類を多くとるために大腸ガンが増加したといわれる。

脂肪と肉の摂取が多くなると、大便の量が減少して大腸に停滞する時間が長くなり、大便の中に含まれている発ガン物質も濃縮される。大腸粘膜の細胞は、濃縮された発ガン物質に長時間侵害されるので、ガンになり易い環境におかれたことになる。

大便の中にある発ガン物質は、食品そのものにもともと含まれている場合もあるが、胃・小腸・大腸と通過する間に、発ガン物質の合成されることもある。
大腸の常在細菌の嫌気性菌と、脂肪によって排出される胆汁が混合すると、発ガン物質を生成するともいわれている。このところ和食が見直されている。
もともと日本人の食事は、戦前は米と麦が主食であり、副食のおかずは野菜と魚で調理されたものが多く、脂肪と肉類は少なかった。したがって大便の量は食物繊維が多いので大量となり、発ガン物質に対する希釈効果を発拝するとともに、大腸の蠕動運動動も旺盛となり、大便は早く排泄された。これが大腸ガンの患者が少なかった理由とされている。

ただし、日本型食事の欠点は、塩分の多いことで、食塩の量をぐんと少なくした和食がパーフェクトです。大腸ガンの自覚症状は、血便、便柱細少化、残便感、便秘と下痢の繰り返し、などである。以上のような症状の続いている方は、消化器科を受診していただきたい。

大腸ガンの早期発見には、免疫学的便潜血検査を一年間に数回受けることである。肉眼ではそれと認めることのできない微量のヒトヘモグロビンを検出できるので、前日の食事の制限はない。この検査で陽性となった人は、X線注腸検査とか大腸内視鏡検査を受けて、病変の有無を確認する。特に大腸ガンのリスクファクターのある方は、定期的に検査を受けることをお勧めする。

近親者に大腸ガンや直腸ガン、ポリープを発見されて手術したことのある場合には、あなたがガンになる危険率(リスクファクター)は高くなる。大腸ガンは、切除することが治療の基本である。切除といっても、内視鏡を肛門より挿入して、ポリープ状に隆起した病変部を電気的に焼き切ってしまう内視鏡的切除と開腹手術による切除の場合がある。

抗ガン剤と放射線療法の行なわれる場合もあるが、手術後に再発防止のために行なわれている程度であって、治療の主流とはなっていない。
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乳がん
乳がん患者も増加傾向。増加加する原因としては、食生活の変化(高脂肪食)と女性ホルモンが指摘されている。乳ガンになりやすい人(ハイリスクグループ)としては、次のようなグループが報告されている。心当たりの方は、年に2回の検査を受けて早期発見に努力していただきたい。

  • 子供を産んだことのない女性
  • 未婚の人
  • 高齢出産の人
  • 初潮の早い人
  • 閉経の遅い人
  • 肥満体
  • 近親者に乳ガンの病歴のある人
  • 片方の乳ガンに罹患した人

乳ガンの治療も、手術による病変部の切除が主流となっている。従来行なわれてきた手術は、皮膚と筋肉(大胸筋、小胸筋)を含めて乳房全部を切除するハルステッド手術が多かった。

最近は縮小手術が増えており治癒率もよくなってきた。これは女性のシンボルである乳房をなるべく温存して術後の「QOL」に配慮した結一果であるといえよう。
さらに新しい手術としては、乳房温存療法が行なわれる場合もある。ただし、限局した小さなガンであり、周囲のリンパ節へ移転してないという厳しい条件がつけられている。
この手術が適当であるかどうかを診断することは、非常にむずかしいようである。乳ガンの早期発見には、前述のリスクファクターを参考に定期的に検査を受けることをお勧めしたが、自己検診も早期発見に有効である。
生理が終わって1週間以内であれば、女性ホルモンの関係で乳腺が縮少した状態になっているので、シコリがあれば触診で発見し易い。要領は人差し指と中指で乳房をなでるようにしてまんぺんなく触わる。
コリコリした硬いものを感じたら医師に診てもらうことである。乳首の陥没、ひきつれ、えくぼの発生にも注意する。乳首の異常な分泌物やただれ、皮膚の発赤にも気をつけたい。

子宮ガン
子宮ガンによる死亡数はこのところほとんど変化はない子宮頸がんと子宮体ガンの2つに分けられている。子宮体ガンの割合は増えてきており、最近では子宮ガンの20%は体ガンである。このような変化も生活習慣(ライフスタイル)の欧米化によるといわれている。子宮頸ガンの原因についてはいろいろなものが挙げられている。もともと子宮頸ガンは、男性との性体験のない女性にはないといってもいいので、男性にその責任があるガンと思っていただきたい。
性交によってある種のウィルス、、恥垢そのほかの発ガン物質が子宮頸部を汚染するためと考えられる。不純な性交を避けて清潔な性生活を常に心がけたい。
たとえば、タバコの煙で汚染された指は問題となる。それから不特定多数の男性をパートナーにもつ女性にも、子宮頸ガンは多くなる。子宮頸ガンの早期には、自覚症状はほとんどの場合に認められない。したがって早期発見には、子宮頸部の細胞を採取して組織学的に調べる子宮細胞診を受けることである。

30歳を過ぎたら、恥ずかしがらずに、年に1回この検査を受けておきたい。子宮体ガンの患者数は増加している。体ガンに罹患する人は、45歳以上の人で、生活習慣(ライフスタイル)の欧米化と関係があるように思われるがはっきりとはしていない。

自覚症状としては不正出血で、この点が出血と関係のない子宮頸ガンと異なる。閉経後に出血のある人、月経とは思われない出血のある人は、不正出血である。
性交後の出血も要注意である。以上の症状のある方は、必ず婦人科での検査を受けていただきたい。子宮体ガンの検査は、子宮頸部を通って奥のほうに、棒状の器具を挿入して細胞を採取し、顕微鏡で検査を行う。初期の子宮頸ガンの手術には、その部分だけを切除したりレーザーで焼いたりして治す。

ガンには遺伝と関係の深いものもある

家族性大腸ポリープ
大腸の粘膜にできるイボのようなものを、大腸ポリープと呼んでいる。胃の中にできるポリープと違って大腸のポリープはガンになる確率が高いので、家系に大腸ポリープ、あるいは大腸(直腸を含む)のガンの手術をした人のいる場合は定期的に大腸の検査(注腸検査・内視鏡検査) を受けなくてはならない。家族性大腸ポリープ症の場合には、早晩大腸ガンになると考えてよい。しかし、その数はごく少数なので、むやみに恐れる必要はない。
黒いうんちは出血のサイン、最近は自分で自宅で検査できる胃がん、大腸検査キットも
網膜細胞腫
3歳以下の乳幼児に発生する腫瘍で、まれには成人にも認められる。早期にあらわれる症状は、白色瞳孔(猫眼)、斜視、視力障害などである。家系に網膜芽細胞腰を認める人は、定期的に精密眼底検査を受けなくてはならない。早期に発見すれば、手術で治る。これまた非常に希で、ガンの1~2%といわれている。
色素性柑皮症
血族結婚の人に多く、日光に過敏な皮膚をもっている人がこの皮膚ガンにかかりやすい。皮膚の色は紅斑→黄褐色斑→瘢痕様萎縮→脱色斑と変化してゆき、皮膚は異常に乾燥してザラザラになり、ガンができるようになる。

ウィルスが原因で発生するガン、白血病、肝炎、エイズ

ウィルスが原因となってガンが発生する病気には、成人T細胞白血病がある。この白血病は日本南西地方の一部に発生する傾向があり、最近注目されている。
原因ウィルスはHTVL-1である。このウィルスの感染経路には母乳による母子感染、輸血、男女間感染の3つがある。

B型肝炎ウィルスで起こる慢性肝炎には、肝硬変、さらに肝ガンヘと進展する場合もあるが、C型肝炎に比較すると少ない。B型肝炎にかかりたくない人には、HBワクチン接種をおすすめする。

近親者にB 型肝炎ウイルス陽性者(HBVキャリア) のいる場合や医療従事者、HBV濃厚汚染地域への旅行・予定者は、是非ともこの予防接種を受けておいていただきたい。

B型肝炎の原因であるウィルスを完全に無毒化できる抗ウィルス剤は、現在のところない。最近では抗ウィルス薬のインターフェロン筋肉注射が有効でHB Vの消失を認める報告もある(10%以下)。

薬局で一般用医薬品として自由に買うことのできるB型肝炎の薬には、小柴胡湯(しょうさいことう)がある。副作用が出ることがあるので、添付文書をよく読んでいただきたい。C型肝炎もウィルス(HCV) によって起こり、B型肝炎と同じような経路で感染する。感染経路は、輸血、性交、汚染された血液、体液との接触、母子感染などである。C 塑肝炎はたちが悪く、慢性肝炎、肝硬変、肝ガンへと進行する頻度はB型よりぐんと高い。

しかし幸いなことに、C型肝炎にはインターフェロンの筋肉注射が有効な場合があり、完治例も報告されている。エイズはウィルス病の一種で、感染すると白血球の一種であるT細胞が障害されて免疫不全の状態となり、死に至る病気である。

T細胞が特異的にやられるという意味で、成人T細胞白血病に似ている。エイズに対する特効薬はない。原因ウィルスはHIVである。感染経路は、性交(同性、異性間)、血液並びに血液製剤の注射、不潔な注射などである。常日頃より、他人の血液、体液に触れないように注意していれば感染予防は可能である。

それでもタバコを吸いたい人への警告

私たちの身体に発生してくるガンのうちで、喫煙と関係のうすいガンは前立腺ガンと白血病ぐらいのもので、ほとんどのガンは喫煙と関係があるといわれている。

タバコの煙の中には多くの発ガン物質が含まれている。この発ガン物質が、気道粘膜、肺、口腔、食道、胃、腸の粘膜に直接ふれることになり、一部の発ガン物質は吸収されて全身を汚染することにもなる。

非喫煙者にくらべて喫煙者にガン発生頻度が高いことは当然の結果といえよう。喫煙ともっとも関係の深いガンは喉頭ガンで、その95%は喫煙によって起こるとされている。

次に喫煙に関係の深いのは肺ガンで、その70% は喫煙により、残りの30% は大気汚染あるいは職業などに関係しているといわれている。そのほか消化器系のガン(口腔、咽けい頭、食道、胃、肝臓、膵臓)、膀胱ガン、子宮頸ガンなども喫煙者に多い。

タバコを喫わない人も安心はできない。周囲の人が室内の空気をタバコの煙で汚染すると受動喫煙(間接喫煙 となる。嫌煙権はもっと論議されてよいと思われるが、ほとんどの職場ではタバコを喫いながらの勤務が公然と行われている現状である。

家庭内での受動喫煙を例にとると、父親1人が喫煙者である場合には、25年経過するとその子供の肺ガン罹患危険率は2倍になるとした報告がある。

「禁煙してもあまり効果がないのでは」と疑り深い人がいるけれども、5年間禁煙を続けるとガンにかかる危険性は半減する。10年間禁煙すると非喫煙者とほとんど同じ状態になる。禁煙の効果は、ガンを予防するだけではない。タバコをやめると心筋梗塞、脳卒中の罹患率も急速に低下して、5年禁煙を続けると非喫煙者と同じレベルに回復する。

食生活とガン

ガンの予防には、のビタミンC大量投与説が有名だが、まだ確実に実証されてはいない。ただ、いろいろな報告をもとにまとめてみると、ビタミンA 、C 、E 、βカロチンについてはガン予防効果があるように思われる。

ビタミンA の過剰摂取は避けなくてはならないが、ビタミンC 、E 、βカロチンについては、取り過ぎの心配はほとんど考慮しなくてよい。動物性脂肪は乳ガン、大腸ガンの発生頻度が高くなるので、高脂血症の予防も含めて摂取量を少なめにすることを心がける。

食物繊維はコレステロールの吸収を悪くするといわれており、また大腸ガンの予防に有用であり、便秘にも効果がある。緑黄色野菜を1日に300g以上とるようにつとめる。

熱い食べ物、飲み物をフーフーと吹いて食べたり飲んだりしている人がよくいるが、これも粘膜を傷害してよくない。保存食品や、煉製品、瓶詰、缶詰類の食品は連用を避ける。

なるべく新鮮な魚、肉類、野菜を調理して食べるように心がけていただきたい。これは食品全体にいえることであるが、熱を加えすぎると、タール成分ができるので、この中に含まれている発ガン物質が細胞を傷害する。長い間保存すると、変性とカビによる発ガン物質の生成が問題となる。同じ食品を常に食べるのも感心しない。特にワラビとかふきのとうを連用するのは避ける。お米屋さんも時どき変えるとか、食品の種類は1日に30種類以上を食べるように、それも毎日調理を工夫し、味付けなども変化させるように努力したい。

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