インフルエンザ

インフルエンザには特効薬がない

インフルエンザ(流行性感冒)にかかると、急に高い熱がでる、身体のふしぶしや筋肉が痛む、鼻血や血疾がみられる、などのかなり強い症状があらわれる。

潜伏期間は1~2日である。感染の機会があって明くる日には軽いかぜの症状がでてくる。すでにインフルエンザに免疫のある人は免疫の強さに応じて症状がでる。

このような時には、健康な大人なら、普通の風邪と同様に栄養をとり安静と保湿に気をつける。

もし熱が蒔く筋肉痛がひどければ、解熱剤(あるいは鎮痛剤)を飲んでおく。それで3日以上も熱が下がらない場合は病院を受診する。

老人や子供、心・肺に病気があるなどの虚弱体質の人は、はじめから解熱剤と一緒に抗生物質を服用して、二次感染を防いでおく必要がある。したがって、早めに医師にかからなければいけない。

現在、インフルエンザウィルスに特効的な薬はない。

インフルエンザ予防薬としては、インフルエンザHAワクチンがある。ワクチンは生体に投与することによって、病原体に対して免疫抗体を産生させ、生体の感染を防ぐものである。
以前のインフルエンザワクチンは、ウィルス粒子をそのまま不活化したもので、副作用も強かった。今のワクチンはウィルスを鶏卵内で移植増殖し、さらに精製濃縮してエーテルでウィルス粒子を分解し、ウィルスの構成物質から毒性のある脂溶性物質をとり除き、表面抗原(HA)をとり出し、副反応の少ないワクチンとしている。

インフルエンザウィルスは大別するとA 、B 、Cの3つの型があるが、C型は散発的な感染が起こる程度であるからワクチンに入れない。大きな流行の原因のもととなるA型株B型株のウィルスの混合ワクチンが現在のものである。新型ウィルスの登場で、特に急いで予防接種による対策がなされる時は、新型ウィルスの単独ワクチンも製造される。

インフルエンザワクチンの罹患予防効果率は、平均して60~80%程度であるが、現在、実施されている学童予防接種は学童の羅患の予防だけでなく、一般社会への流行の拡大防止の役割もある。

100% の予防効果率が発揮できない理由としては、ワクチンを作ったインフルエンザとは別株のウィルスが流行していた場合と、ワクチンの予防接種を受けても充分な免疫抗体が身体の中に存在しない場合、の2つが考えられる。HAワクチンの注射が早すぎても遅すぎても、抗原であるウィルスと免疫抗体はドッキングできないし、もともと抗体ができてこない場合もある。

副反応の重症例は1440万人に1人の割合と報告されている。

インフルエンザHAワクチンを受けてはいけない場合もあるので、接種を受ける際には医師に相談すること。

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