尿管結石 芍薬甘草湯 で治したい時の注意点について紹介します。尿管結石は、その激しい痛みが特徴的な病気です。突然襲ってくる脇腹から下腹部にかけての疝痛発作は、「お産に次ぐ痛み」と表現されるほどだと言われています。
そんな尿管結石の痛みに対して、漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとうが用いられることがあります。
尿管結石 芍薬甘草湯 で治したい時の注意点

尿管結石による激しい痛みは、突然襲ってくる疝痛発作として知られ、経験した人にしかわからないほどの苦痛を伴います。このつらい痛みを和らげる選択肢の一つとして、漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が注目されています。
筋肉のけいれんを鎮める作用を持つ芍薬甘草湯は、尿管結石による激痛の緩和に役立つとされています。この記事では、芍薬甘草湯が尿管結石の痛みにどのように作用するのか、その効果や服用時の注意点について詳しく解説します。</
尿管結石と芍薬甘草湯の働き
尿管結石は、腎臓でできた結石が尿管に移動し、尿管を塞いだり刺激したりすることで激しい痛みを引き起こします。この痛みは、尿管の平滑筋がけいれんすることによって生じると考えられています。
芍薬甘草湯は、その名の通り、芍薬(シャクヤク)と甘草(カンゾウ)という2つの生薬から構成される漢方薬です。この2つの生薬が協力し合うことで、主に以下のような作用が期待できます。
- 鎮痙作用(筋肉のけいれんを抑える):芍薬甘草湯は、骨格筋だけでなく、尿管のような平滑筋のけいれんを鎮める働きがあると言われています。これにより、尿管の過度な収縮を和らげ、結石による痛みを軽減する効果が期待されます。
- 鎮痛作用:けいれんを抑えることで、痛みの緩和にも繋がります。
実際に、尿管結石の激しい痛みに頓服(症状が出た時に一時的に服用すること)として芍薬甘草湯が処方されるケースがあります。西洋薬の鎮痙鎮痛薬に相当するとも言われ、飲んでいる最中から痛みが軽減されたと感じる患者さんもいるようです。
芍薬甘草湯の服用と注意点
芍薬甘草湯は、その効果の高さから「急迫症状」に用いられることが多い漢方薬です。尿管結石の痛みのような、急なけいれんを伴う痛みに適しています。
- 服用方法: 痛みが激しい時に、水や白湯で服用します。具体的な用法・用量は、医師や薬剤師の指示に従ってください。効果がなければ追加で服用できる場合がありますが、自己判断せずに必ず専門家の指示を仰ぎましょう。
- 頓服としての使用: 尿管結石の痛みに対しては、主に痛みを一時的に和らげる頓服薬として使われることが多いです。痛みが続いている間に数時間おきに服用すると良いとされています。
- 他の漢方薬との併用: 芍薬甘草湯単独で用いられることもありますが、結石の排出を促す利尿作用のある猪苓湯(ちょれいとう)や、排石を促進する作用が期待される大建中湯(だいけんちゅうとう)など、他の漢方薬と併用されることもあります。
【重要な注意点】
芍薬甘草湯は効果が高い反面、副作用にも注意が必要です。特に、甘草の成分(グリチルリチン酸)による偽アルドステロン症という副作用のリスクがあります。これは、手足のむくみ、だるさ、しびれ、血圧上昇などを引き起こす可能性があります。
- 漫然と長く服用しない: 芍薬甘草湯は、急性の症状に短期間使用することが基本です。漫然と長期にわたって服用したり、短期間に大量に摂取したりすることは避けてください。
- 高血圧や腎臓病の持病がある方: これらの持病がある方は、服用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。
- 定期的な検査: 常用している場合は、定期的な血液検査などで体内のカリウム値などをチェックすることが推奨されます。
- 症状に異変を感じたら: むくみやだるさ、脱力感、吐き気などの症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
尿管結石の治療について
尿管結石の治療は、結石の大きさや位置、症状の程度によって異なります。
- 自然排石: 結石が小さい場合は、水分を多く摂り、運動などをすることで自然な排出を促します。その際の痛みに芍薬甘草湯や鎮痛剤が用いられます。
- 薬物療法: 痛みの緩和や結石排出促進のための薬(α1ブロッカーなど)が処方されることがあります。
- 外科的治療: 結石が大きい場合や自然排出が難しい場合は、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や内視鏡手術など、専門的な治療が必要になることもあります。
尿管結石は、激しい痛みを伴うため、まずは医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが最も重要です。芍薬甘草湯は痛みの緩和に役立つことがありますが、あくまで対症療法の一つとして、専門医の指導のもとで服用するようにしましょう。