椎間板ヘルニア 漢方 で治したい

椎間板ヘルニア 漢方

椎間板ヘルニア 漢方 で治したい 漢方薬の選び方などを紹介します。椎間板ヘルニアによる腰や足の痛み、しびれに悩まされている方にとって、西洋医学的な治療に加えて、漢方薬での改善を考える方もいらっしゃるでしょう。

椎間板ヘルニア 漢方 で治したい

漢方医学では、単に痛みを抑えるだけでなく、患者さん一人ひとりの体質や症状の根本にある「証」を見極め、体全体のバランスを整えることで、症状の緩和と再発しにくい体づくりを目指します。

椎間板ヘルニアは、背骨の椎間板というクッションが飛び出し、神経を圧迫することで、腰や足に痛みやしびれを引き起こす疾患です。西洋医学では、鎮痛剤やリハビリ、重症の場合は手術といった治療が行われますが、漢方薬も症状の緩和や体質改善に役立つことがあります。

椎間板ヘルニアに対する漢方の考え方

漢方医学では、椎間板ヘルニアそのものを直接「治す」というよりは、痛みの原因となっている体の不調(気・血・水の乱れなど)を整え、痛みやしびれを和らげ、体質を改善することで、症状の再発を防ぐことを目指します。

椎間板ヘルニアにおける漢方治療では、以下のような観点からアプローチします。

  • 痛みや炎症の緩和: 患部の炎症を抑え、痛みを和らげます。
  • 血行改善: 滞った血流(お血)を改善し、神経への栄養供給や老廃物の排出を促します。
  • 体の冷え改善: 冷えが痛みを悪化させる場合があるため、体を温めることで症状を緩和します。
  • 水分代謝の調整: 体内の余分な水分(水滞)が、むくみや重だるさ、痛みに影響することがあります。
  • 筋肉の緊張緩和: 筋肉の緊張による痛みを和らげます。
  • 体力の回復・補強: 体力が低下している場合、回復を促し、症状に負けない体を作ります。

椎間板ヘルニアで用いられる主な漢方薬

椎間板ヘルニアの症状は多岐にわたり、患者様の体質(「証」と呼びます)によって最適な漢方薬は異なります。以下に代表的な漢方薬とその特徴を挙げます。

  1. 疎経活血湯(そけいかっけつとう)
    • 特徴: 筋肉や関節の痛み、神経痛に広く用いられます。特に、冷えや湿気が原因で痛みが悪化する場合や、慢性的な痛み、しびれがある場合に適しています。血行を改善し、滞った「お血」を取り除く作用があります。
    • 適応: 腰痛、坐骨神経痛、関節痛、神経痛など。
  2. 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
    • 特徴: 加齢などによる「腎虚(じんきょ)」、つまり足腰の衰えや下半身の冷え、むくみ、しびれ、頻尿などを伴う場合に用いられます。骨や筋肉に栄養を与え、体を温める作用が期待できます。
    • 適応: 腰痛、坐骨神経痛、下肢のしびれ、だるさ、頻尿など。
  3. 八味地黄丸(はちみじおうがん)
    • 特徴: 牛車腎気丸と同様に「腎虚」に用いられ、下半身の冷えやしびれ、頻尿などを伴う場合に効果的です。特に、冷えが強く、疲れやすい方に適しています。
    • 適応: 腰痛、下肢のしびれ、冷え、頻尿など。
  4. 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
    • 特徴: 体が冷えると痛みが強くなる方に適しています。体を温め、水分の滞りを改善し、痛みやしびれを和らげます。関節痛にもよく用いられます。
    • 適応: 冷えによる腰痛や関節痛、神経痛など。
  5. 五積散(ごしゃくさん)
    • 特徴: 体を温める作用があり、冷えが原因の痛みや、消化器症状(食欲不振など)を伴う場合に用いられることがあります。
    • 適応: 冷えによる腰痛、関節痛、頭痛など。
  6. 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
    • 特徴: 体力や気力、血が不足している「気血両虚(きけつりょうきょ)」の状態に用いられ、体全体を滋養し、回復力を高めます。慢性的な疲労感や貧血傾向がある方の腰痛に用いられることがあります。

漢方薬の選び方と服用時の注意点

漢方薬は、症状だけでなく、患者様の体質、生活習慣、全体的な体調など「証」に基づいて選ばれます。自己判断で選ぶのではなく、必ず漢方に詳しい専門家(医師や薬剤師など)に相談することが重要です。

  • 専門家への相談:
    椎間板ヘルニアと診断されたら、まずは整形外科などの専門医を受診し、適切な診断と治療方針を立ててもらいましょう。その上で、漢方薬を試したい場合は、漢方専門医や漢方に詳しい薬剤師に相談することをお勧めします。現在の症状、痛みの特徴、体質、他の持病や服用中の薬などを詳しく伝えることが、適切な漢方薬を選ぶ上で非常に重要です。
  • 即効性ではない:
    漢方薬は、鎮痛剤のような即効性はありません。症状の緩和や体質改善には、数週間から数ヶ月、場合によってはそれ以上の継続的な服用が必要となることがあります。
  • 副作用の可能性:
    漢方薬も医薬品であるため、副作用がないわけではありません。体質に合わない場合や、服用方法を誤ると、胃部の不快感、下痢、発疹などの症状が出ることがあります。気になる症状が出た場合は、すぐに服用を中止し、専門家に相談してください。
  • 西洋薬との併用:
    既に他の治療薬を服用している場合は、必ず医師や薬剤師にその旨を伝えてください。漢方薬と西洋薬の相互作用がないか確認が必要です。

椎間板ヘルニアの治療は、西洋医学と漢方医学のそれぞれの得意分野を理解し、適切に組み合わせることで、より良い効果が期待できる場合があります。

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