気長に根気よく治癒すれば、水虫は必ず治る
持病にもいろいろあるが、サラリーマン族が一番悩まされるのが水虫。2位の肩コリ、3位の痔、4位の胃炎、五位の腰痛を圧倒的にひきはなしている。主として足の裏、足の指のあいだ、時には手のひらなどに粟粒くらいの水痛ができたり、皮がむけて赤くびらんした皮膚が露出したりする。
水虫はカビの仲間で白癬菌によって起こる。この白癖菌は表皮の角質層、つまり皮膚の一番外側に寄生して起こる。白癬菌は、2~3週間から、しぶといのは3年くらい生きている。
もうひとつ厄介なことは、白癬菌というのは薬剤に対して比較的頑固で死滅しにくく、そのために水虫の薬というのは強い成分をもったものが多い。
皮膚の方が弱いのでかぶれやすくなる。かぶれると、水疱がたくさんでき、水虫に似た症状を示す。水虫の薬を塗れば塗るほど悪化することになる。
そこで問題になるのは、足の裏や手のひらにできた粟粒くらいの水疱がすべて水虫であるかどうかということである。このような部位は、多汗症の人ではしばしばあせもとして水疱ができる(汗癌)ことがあるし、また湿疹でもそうなる場合がしばしばあるということを覚えておく必要がある。
かさかさタイプとじゅくじゅくタイプで使い分ける水虫の薬
乾性の水虫の場合
乾性の水虫というのは小さな水疱はできるが、あまりじゅくじゅくせず、皮膚は乾燥して皮がむけるものである。この時の薬としては液状のものが一般的である。
市販水虫薬には、ナフタリン誘導体のトルナフテートを用いているものが多い。
乾性の水虫をそのまま放っておくと、角質が次第に厚くなって、皮がむけ、時に亀裂して足が痛くなったり、汗でふやけた状態(湿性水虫)となったり、さらに進行すると化膿してびらん状態となる。そんな状態にならないうちに治すことが大切である。
薬選び方を誤ると症状が悪化する湿性の水虫
水虫も湿性状態だと厄介である。水虫の液状の薬は、薬品を溶かすのにアルコール等を用いているので患部に刺激が強く、かえって症状を悪化させることもある。
湿性の水虫は、まず殺菌性のアクリノール亜鉛華軟膏類を患部に塗布して、じゅくじゅくしたり、化膿してびらん状態の患部を乾燥するようにしてやる。
びらん状態を治してからさきの抗白癖菌剤の等の軟膏類を用いて患部を保護しながら治すのがよい。
しかし、あまりひどく化膿して炎症の強い時には、抗生物質のゲンタマイシンと言草酸べンタメタゾンの合剤であるリンデロンVG軟膏をつけると湿潤、びらん、化膿、炎症を抑える効果がある。
ただしこの軟膏類は要指示薬で勝手に買うことはできない。水虫の予防には、日頃、足など石けんでよく洗い、通気性のよい、むれない靴下を毎日交換し、皮膚を清潔にすることが大事。