月経不順

月経不順の原因

女性の一生は、幼年期、思春期、成熟期、更年期、老年期とたどり、10~16歳が初潮、46~58歳ぐらいで閉経するとされている。

正常な月経の周期は子宮内膜の状態によって月経期(剥脱期)、増殖期、分泌期と分かれている。

排卵によって増殖期は分泌期へと変化していく。通常の場合月経周期は28日型のことが多く、規則的なこの周期は視床下部、下垂体前葉、卵巣の三気管が分泌するそれぞれのホルモンによって相互調節関係に組み込まれている。

卵巣、子宮はもとより体温、乳房、精神状態、自律神経系にまで周期的な変化が認められる。月経不順は視床下部、下垂体、卵巣のどこかに異常があれば起こることになる。ホルモンのアンバランス、子宮・卵巣の異常、精神的・肉体的ストレス、肝・腎・血液などの病気があると治療も複雑多岐にわたる。

画一的な治療は困難である。ホルモンの分泌異常による月経不順には若年者の無排卵性月経がある。この場合には、女性ホルモンの規則的投与で子宮出血を周期的人工的に誘発してやると、そのうちに月経周期が正常に発来することになる。

月経が持続してキレが悪く周期も乱れている場合には、機能性子宮出血である場合が多い。このような状態の時には、女性ホルモン剤の投与で10日前後出血を止めておくと、消退出血後には正常周期になる。

ただし、このような性ホルモンの投与は、医師の指示に従っていただくことになり、勝手なホルモン剤の服用はできない。漢方薬による月経不順の治療にも効果が認められている。この漢方薬は薬局で自由に買うことができるので評判がよい。

漢方医学的には月経不順は癒血が体内に生じたために起こることを考え、駆瘀血剤が適用される。その代表的な漢方処方は以下のとおりです。

生理痛の場合の漢方薬処方ガイド
月経前症候群→桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
月経困難症→芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
予防→桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)加味逍遥散(かみしょうようさん)

生理日を変更したい

近頃の若い女性は、生理日でも山や海などに出かける人が多くなった。昔は、結婚式の日取りなどを決める場合でも、女性の生理日などを考慮に入れて決めたが、最近ではその心配がまったくなくなった。

生理日を自由に変えることができる薬が登場したからである。ドオルトン、エデュレンがそれである。黄体・卵胞混合ホルモン剤で効果は抜群である。月経周期の延長や短縮のいずれの働きをもする。便利な話であるが、ホルモン剤の内服というのは慎重な扱いがほしい。無茶な服用は内分泌代謝に悪影響を与えることがしばしばある。
ホルモン剤は要指示薬である。医師や薬剤師の指示に従って飲む。

狭心症

つねに薬を携帯し、予感がしたら早目に服用する

狭心症の発作(胸痛)にはニトログリセリン錠、ニトロール、ニトロールスプレーなどの即効性冠拡張剤がよく効く。狭心症の患者はこれをつねに携帯しておき、胸痛の予感があった場合に早目に服用する。

服用後は2分くらいで効果があらわれ、30分程効果は持続する。ニトログリセリン錠は古くなると効かなくなる。舌の上にのせてビリビリするならば有効である。

起床時、あるいは出勤途中で胸痛発作を起こす場合には、起床30分く2時間前に亜硝酸系薬剤(ニトログリセリンなど)の貼付あるいは徐放剤を服用する。
夜間睡眠中に、あるいは早朝に胸痛発作の起こる異型狭心症の場合には、就寝前にカルシウム括抗剤を服用して冠動脈の緊張を低下させておくと胸痛の予防ができる。安静時にも労作時にも、胸痛発作のある場合には、更にβ遮断薬と冠動脈拡張薬を加えベータ多剤併用療法を行っている。β遮断薬は心拍数を減少、心筋代謝抑制、酸素消費量減少の作用がある。β遮断薬には、副作用が少なくて効果を発揮する新しい製剤が開発されている。

心筋梗塞に狭心症の薬は効かない

心筋梗塞を起こした場合にはモルヒネを使用する。同じ心臓の病気でも、狭心症の場合に用いる亜硝酸系の薬剤は効きめが弱い。

血液の血栓形成を防止するための抗凝固剤には、ワーフアリンが用いられる。心筋梗塞は多くの場合血栓形成があって、心臓の一部分の血液の流れ(冠血流)が阻止されている。

この血栓を溶解すれば血流は再開する。これは血栓溶解療法と呼ばれている。梗塞発症の初期に実施するのが、早ければ早いほど、再開通率は良くなる。

心臓を環流する冠動脈の流れがわるくなり胸痛が続く、あるいはだんだんと胸痛発作の回数が多くなって憎悪傾向にある場合には、動脈ー冠動脈バイパス手術の行われる場合もある。動脈硬化と血栓形成で狭容した領域をバイパスしてその末棺動脈に、内胸動脈、あるいは胃動脈を吻合して血流を再開する手術である。

最近ではバイパス手術の代わりに、形成術を受ける人が増えている。狭窄部にバルーンカテーテルを送りこんで機械的に拡張するのである。経皮的冠動脈形成術と呼ばれている。

ガン

2人に1人がガンで亡くなる時代

死因統計を見ると、昭和56年以降、第1位の座はガンによって占められており、ガンによる死亡数ならびに死亡率は確実に増えている。死亡数は平成元年には21万人、平成4年23万2千人、平成5年23万7千人であり、このところガンによる死亡数は一年間に平均的5千人の割合で増加している。

ガンの原因

正常な細胞が狂暴なガン細胞に変身する原因としては、「ガン遺伝子」の活性化が挙げられている。もともとこのガン遺伝子は、普通の正常な細胞の染色体の中に組みこまれているのであるが、正常の場合はガン抑制遺伝子によってその活性化が抑えられている。

ところがなにかの原因によって、このガン遺伝子とガン抑制遺伝子のバランスが崩壊すると、ガン細がんか胞が発生することになる。細胞の癌化である。このバランスの崩壊を促進する因子としては、放射線、紫外線、ある種のウィルス、または直接的に、あるいは間接的に遺伝子を傷害する物質が挙げられている。

最後に挙げた損害物質は、消化器、呼吸器、皮膚を通って侵入してくる場合と、身体の中でで生成される場合とがある。しかしそれ以外に、一生を通じて内部環境に影響を与える「生活習慣」(ライフスタイル)を見逃すことはできない。

この生活習慣と遺伝子の傷害については、大阪大学医学部の森本兼嚢教授(環境医学)によって、染色体色分け技術を指標とした「森本の8つの健康習慣」が報告されている。

ガンの予防法

正常な細胞がガン細胞に変身する原因は、発ガン遺伝子の活性化である。したがって、その予防法は遺伝子傷害因子を遮断あるいは除去することである。国立がんセンター総長杉村隆先生の勧める「ガン予防12力条」を実行されている方は多いと思われるが、それに加えて前述の「森本の8つの健康習慣」を考慮すると次のような予防法が勧められる。
生活習慣からガンを予防する

  1. 禁煙と節酒を実行する。
  2. 食生活では朝昼晩と規則的食事を心がける。
  3. 糖質・脂質・たんばく質・ミネラルをバランスよく食べる。
  4. 1日に食品数としては30品目以上を揃え、毎日変化のある食品の摂取を実行する。
  5. 食塩と脂肪は控え目にとる。
  6. 魚、肉、ごはんなどのこげた部分や、カビの生えたものは食べない。熱いものはさまして食べる。
  7. 食物繊維は多めに、特に緑黄色野菜を多くする。
  8. ビタミンは、Aは適量を、C 、E 、カロチンを多くする。
  9. 直射日光は10分間以上は当㌧ないようにする。
  10. 全身を使った適度な運動を心掛ける。
  11. 睡眠は7時間以上とる。
  12. 過労を避ける。
  13. 自覚されるストレスの強い場合には、避けるように努める。
  14. 体を清潔に保つ。。

以上「健康14か条」。
睡眠時間は7時間以上はとても重要です。

臓器別のガン対策

胃がん
男性と女性では羅漢するガンの種類に違いが表われるが、両性ともに胃ガンが断然多くて1位を占めている。死因統計から見ると男性非が多い、ただし、近年胃ガンは男女ともに急激な減少傾向を示していて、この20数年間に年齢調整死亡率で見る限り45% 以上の減少である。

胃ガンで亡くなる人が減ったのは、早期発見による手術症例が多くなったためだけではない。胃ガンそのものが男女ともに減っているのである。このような胃ガン羅患率の減少は、食生活を中心とした生活習慣(ライフスタイル)の変化によるものと考えられる。

心配な人は前述のガン予防法を実行していただきたい。胃ガンの初期には自覚症状はほとんどないため、年1回の健康診断が必要となる。自覚症状の訴えが出た時点では、胃ガンの病期は相当に進行していて、手術の効果は期待できない場合が多い。

胃ガンを早期発見するための検査には2つある。X線造影検査と内視鏡検査である。

水に溶かしたバリウムを飲んで胃の内部を観察するX線検査は、人間ドックで行なわれている一般的な検査である。ここでなにか異常な粘膜の変化をとらえた場合には、胃内視鏡悪査を受けることになる。

胃ガンの治療は、基本的には手術してガン細胞を全部取り除くことになる。この場合、胃を全部切り取る全摘手術と、胃の一部を切除する部分切除に分かれる。
このどちらの手術方法かは、ガンの存在している部位とガンの広がり具合によって決められる。また最近では、胃内祝焉組織切除法によるガン病変部の除去が行われている。これは非常に初期の胃ガンに適用される切除法で、外来通院で手術は終わり患者にとっては楽である。
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肺がん
肺ガンはこのところ急激に増加しておりこの十年間では40% 近くも増えている。胃ガンに代わって、肺ガンによる死亡数がトップに立つのは時間の問題となった。

肺ガンの元凶として喫煙の害が指摘されるようになって久しい。タバコの煙の中のタール成分には多くの発ガン物質が含まれていて、細胞をガン化させるイニシエーターもプロモーターも十分量含まれている。

代表的な発ガン物質はベンツピレンとニトロソ化合物であるが、これらの物質が気管支の粘膜ならびに肺の細胞に入りこんで遺伝子を侵害することになり、肺ガンとなる。

プリックマン指数という言葉を耳にした方は、喫煙者の中では多いと思われる。1日吸うタバコの本数に喫煙年数を掛けた数値のことで、この指数の高い人ほど発ガンの危険性は高くなる。毎日20本のタバコを20年間吸い続けた場合には、ブリックマン指数は四400となる。400を超えると発ガンの危険域に入ったと考えられる。

肺ガンの自覚症状で多いものは血痰と咳。かぜをひいて咳の止まらない場合とか、痰に血液の混入してくる場合には、ためらわずに呼吸器科を受診すること。
早期の肺ガンが発見される場合がよくある。肺ガンの早期発見には痰の中の細胞を顕微鏡検査してガン細胞を見つけ出す方法がある。今の方法は、胸部X線写真を撮ることである。この噂疾検査と胸部X線写真を定期的に受けることが、肺ガンの早期発見に役立つ。

近親者に肺ガンの病歴のあるの人は、年に2二回の定期検査を受けることをお勧めする。肺ガンのタイプには、偏平上皮ガンがもっとも多く40% を占めている。肺の扁平上皮ガン治療による口内炎、しびれが結晶ゲルマで治まった
これは肺の入口の肺門と大きな気管支の粘膜にできてくるので、胸部X線写真で早期発見するのはむずかしい。ただし悲観することはない。このガン細胞は脱落して痰の中に混入されているので、喀痰細胞診を受ければ早期発見が可能となる。

次に多い肺ガンは腺ガンで、肺ガンの40% 近い羅患率であり、女性に多い。喫煙の影響は少ないといわれている。幸いなことに肺門部から離れた肺野に出てくるので、胸部X線写真で早期発見が可能である。
逆に喀痰検査で発見するのはむずかしい。

3番目に多い肺ガンは、小細胞ガンで全肺ガンの15%を占めている。肺門部に発生することが多く、しかも気管支粘膜の下に隠れて発生するので、胸部X 線写真でも喀痰細胞診でも、早期発見はむずかしい。
転移を早期に起こすたちの悪いガンである。タバコをやめて予防することが肝要である。肺ガンの治療は第一に手術である。手術後の5年生存率は向上してきている。手術の不可能な場合には、抗ガン剤の投与が行なわれている。しかし、抗ガン剤にも耐性がでてきて、はじめは有効であっても投与期間が長くなると無効となって副作用が前面にでてくる。

大腸ガン
大腸ガンも増加している。原因は、遺伝的な素因よりも、食生活の欧米化による食品の量と質の問題が挙げられている。日本人の食生活が欧米化して脂肪と肉類を多くとるために大腸ガンが増加したといわれる。

脂肪と肉の摂取が多くなると、大便の量が減少して大腸に停滞する時間が長くなり、大便の中に含まれている発ガン物質も濃縮される。大腸粘膜の細胞は、濃縮された発ガン物質に長時間侵害されるので、ガンになり易い環境におかれたことになる。

大便の中にある発ガン物質は、食品そのものにもともと含まれている場合もあるが、胃・小腸・大腸と通過する間に、発ガン物質の合成されることもある。
大腸の常在細菌の嫌気性菌と、脂肪によって排出される胆汁が混合すると、発ガン物質を生成するともいわれている。このところ和食が見直されている。
もともと日本人の食事は、戦前は米と麦が主食であり、副食のおかずは野菜と魚で調理されたものが多く、脂肪と肉類は少なかった。したがって大便の量は食物繊維が多いので大量となり、発ガン物質に対する希釈効果を発拝するとともに、大腸の蠕動運動動も旺盛となり、大便は早く排泄された。これが大腸ガンの患者が少なかった理由とされている。

ただし、日本型食事の欠点は、塩分の多いことで、食塩の量をぐんと少なくした和食がパーフェクトです。大腸ガンの自覚症状は、血便、便柱細少化、残便感、便秘と下痢の繰り返し、などである。以上のような症状の続いている方は、消化器科を受診していただきたい。

大腸ガンの早期発見には、免疫学的便潜血検査を一年間に数回受けることである。肉眼ではそれと認めることのできない微量のヒトヘモグロビンを検出できるので、前日の食事の制限はない。この検査で陽性となった人は、X線注腸検査とか大腸内視鏡検査を受けて、病変の有無を確認する。特に大腸ガンのリスクファクターのある方は、定期的に検査を受けることをお勧めする。

近親者に大腸ガンや直腸ガン、ポリープを発見されて手術したことのある場合には、あなたがガンになる危険率(リスクファクター)は高くなる。大腸ガンは、切除することが治療の基本である。切除といっても、内視鏡を肛門より挿入して、ポリープ状に隆起した病変部を電気的に焼き切ってしまう内視鏡的切除と開腹手術による切除の場合がある。

抗ガン剤と放射線療法の行なわれる場合もあるが、手術後に再発防止のために行なわれている程度であって、治療の主流とはなっていない。
自宅で検査する大腸検査キットもあるので不安な人にはおすすめ!

乳がん
乳がん患者も増加傾向。増加加する原因としては、食生活の変化(高脂肪食)と女性ホルモンが指摘されている。乳ガンになりやすい人(ハイリスクグループ)としては、次のようなグループが報告されている。心当たりの方は、年に2回の検査を受けて早期発見に努力していただきたい。

  • 子供を産んだことのない女性
  • 未婚の人
  • 高齢出産の人
  • 初潮の早い人
  • 閉経の遅い人
  • 肥満体
  • 近親者に乳ガンの病歴のある人
  • 片方の乳ガンに罹患した人

乳ガンの治療も、手術による病変部の切除が主流となっている。従来行なわれてきた手術は、皮膚と筋肉(大胸筋、小胸筋)を含めて乳房全部を切除するハルステッド手術が多かった。

最近は縮小手術が増えており治癒率もよくなってきた。これは女性のシンボルである乳房をなるべく温存して術後の「QOL」に配慮した結一果であるといえよう。
さらに新しい手術としては、乳房温存療法が行なわれる場合もある。ただし、限局した小さなガンであり、周囲のリンパ節へ移転してないという厳しい条件がつけられている。
この手術が適当であるかどうかを診断することは、非常にむずかしいようである。乳ガンの早期発見には、前述のリスクファクターを参考に定期的に検査を受けることをお勧めしたが、自己検診も早期発見に有効である。
生理が終わって1週間以内であれば、女性ホルモンの関係で乳腺が縮少した状態になっているので、シコリがあれば触診で発見し易い。要領は人差し指と中指で乳房をなでるようにしてまんぺんなく触わる。
コリコリした硬いものを感じたら医師に診てもらうことである。乳首の陥没、ひきつれ、えくぼの発生にも注意する。乳首の異常な分泌物やただれ、皮膚の発赤にも気をつけたい。

子宮ガン
子宮ガンによる死亡数はこのところほとんど変化はない子宮頸がんと子宮体ガンの2つに分けられている。子宮体ガンの割合は増えてきており、最近では子宮ガンの20%は体ガンである。このような変化も生活習慣(ライフスタイル)の欧米化によるといわれている。子宮頸ガンの原因についてはいろいろなものが挙げられている。もともと子宮頸ガンは、男性との性体験のない女性にはないといってもいいので、男性にその責任があるガンと思っていただきたい。
性交によってある種のウィルス、、恥垢そのほかの発ガン物質が子宮頸部を汚染するためと考えられる。不純な性交を避けて清潔な性生活を常に心がけたい。
たとえば、タバコの煙で汚染された指は問題となる。それから不特定多数の男性をパートナーにもつ女性にも、子宮頸ガンは多くなる。子宮頸ガンの早期には、自覚症状はほとんどの場合に認められない。したがって早期発見には、子宮頸部の細胞を採取して組織学的に調べる子宮細胞診を受けることである。

30歳を過ぎたら、恥ずかしがらずに、年に1回この検査を受けておきたい。子宮体ガンの患者数は増加している。体ガンに罹患する人は、45歳以上の人で、生活習慣(ライフスタイル)の欧米化と関係があるように思われるがはっきりとはしていない。

自覚症状としては不正出血で、この点が出血と関係のない子宮頸ガンと異なる。閉経後に出血のある人、月経とは思われない出血のある人は、不正出血である。
性交後の出血も要注意である。以上の症状のある方は、必ず婦人科での検査を受けていただきたい。子宮体ガンの検査は、子宮頸部を通って奥のほうに、棒状の器具を挿入して細胞を採取し、顕微鏡で検査を行う。初期の子宮頸ガンの手術には、その部分だけを切除したりレーザーで焼いたりして治す。

ガンには遺伝と関係の深いものもある

家族性大腸ポリープ
大腸の粘膜にできるイボのようなものを、大腸ポリープと呼んでいる。胃の中にできるポリープと違って大腸のポリープはガンになる確率が高いので、家系に大腸ポリープ、あるいは大腸(直腸を含む)のガンの手術をした人のいる場合は定期的に大腸の検査(注腸検査・内視鏡検査) を受けなくてはならない。家族性大腸ポリープ症の場合には、早晩大腸ガンになると考えてよい。しかし、その数はごく少数なので、むやみに恐れる必要はない。
黒いうんちは出血のサイン、最近は自分で自宅で検査できる胃がん、大腸検査キットも
網膜細胞腫
3歳以下の乳幼児に発生する腫瘍で、まれには成人にも認められる。早期にあらわれる症状は、白色瞳孔(猫眼)、斜視、視力障害などである。家系に網膜芽細胞腰を認める人は、定期的に精密眼底検査を受けなくてはならない。早期に発見すれば、手術で治る。これまた非常に希で、ガンの1~2%といわれている。
色素性柑皮症
血族結婚の人に多く、日光に過敏な皮膚をもっている人がこの皮膚ガンにかかりやすい。皮膚の色は紅斑→黄褐色斑→瘢痕様萎縮→脱色斑と変化してゆき、皮膚は異常に乾燥してザラザラになり、ガンができるようになる。

ウィルスが原因で発生するガン、白血病、肝炎、エイズ

ウィルスが原因となってガンが発生する病気には、成人T細胞白血病がある。この白血病は日本南西地方の一部に発生する傾向があり、最近注目されている。
原因ウィルスはHTVL-1である。このウィルスの感染経路には母乳による母子感染、輸血、男女間感染の3つがある。

B型肝炎ウィルスで起こる慢性肝炎には、肝硬変、さらに肝ガンヘと進展する場合もあるが、C型肝炎に比較すると少ない。B型肝炎にかかりたくない人には、HBワクチン接種をおすすめする。

近親者にB 型肝炎ウイルス陽性者(HBVキャリア) のいる場合や医療従事者、HBV濃厚汚染地域への旅行・予定者は、是非ともこの予防接種を受けておいていただきたい。

B型肝炎の原因であるウィルスを完全に無毒化できる抗ウィルス剤は、現在のところない。最近では抗ウィルス薬のインターフェロン筋肉注射が有効でHB Vの消失を認める報告もある(10%以下)。

薬局で一般用医薬品として自由に買うことのできるB型肝炎の薬には、小柴胡湯(しょうさいことう)がある。副作用が出ることがあるので、添付文書をよく読んでいただきたい。C型肝炎もウィルス(HCV) によって起こり、B型肝炎と同じような経路で感染する。感染経路は、輸血、性交、汚染された血液、体液との接触、母子感染などである。C 塑肝炎はたちが悪く、慢性肝炎、肝硬変、肝ガンへと進行する頻度はB型よりぐんと高い。

しかし幸いなことに、C型肝炎にはインターフェロンの筋肉注射が有効な場合があり、完治例も報告されている。エイズはウィルス病の一種で、感染すると白血球の一種であるT細胞が障害されて免疫不全の状態となり、死に至る病気である。

T細胞が特異的にやられるという意味で、成人T細胞白血病に似ている。エイズに対する特効薬はない。原因ウィルスはHIVである。感染経路は、性交(同性、異性間)、血液並びに血液製剤の注射、不潔な注射などである。常日頃より、他人の血液、体液に触れないように注意していれば感染予防は可能である。

それでもタバコを吸いたい人への警告

私たちの身体に発生してくるガンのうちで、喫煙と関係のうすいガンは前立腺ガンと白血病ぐらいのもので、ほとんどのガンは喫煙と関係があるといわれている。

タバコの煙の中には多くの発ガン物質が含まれている。この発ガン物質が、気道粘膜、肺、口腔、食道、胃、腸の粘膜に直接ふれることになり、一部の発ガン物質は吸収されて全身を汚染することにもなる。

非喫煙者にくらべて喫煙者にガン発生頻度が高いことは当然の結果といえよう。喫煙ともっとも関係の深いガンは喉頭ガンで、その95%は喫煙によって起こるとされている。

次に喫煙に関係の深いのは肺ガンで、その70% は喫煙により、残りの30% は大気汚染あるいは職業などに関係しているといわれている。そのほか消化器系のガン(口腔、咽けい頭、食道、胃、肝臓、膵臓)、膀胱ガン、子宮頸ガンなども喫煙者に多い。

タバコを喫わない人も安心はできない。周囲の人が室内の空気をタバコの煙で汚染すると受動喫煙(間接喫煙 となる。嫌煙権はもっと論議されてよいと思われるが、ほとんどの職場ではタバコを喫いながらの勤務が公然と行われている現状である。

家庭内での受動喫煙を例にとると、父親1人が喫煙者である場合には、25年経過するとその子供の肺ガン罹患危険率は2倍になるとした報告がある。

「禁煙してもあまり効果がないのでは」と疑り深い人がいるけれども、5年間禁煙を続けるとガンにかかる危険性は半減する。10年間禁煙すると非喫煙者とほとんど同じ状態になる。禁煙の効果は、ガンを予防するだけではない。タバコをやめると心筋梗塞、脳卒中の罹患率も急速に低下して、5年禁煙を続けると非喫煙者と同じレベルに回復する。

食生活とガン

ガンの予防には、のビタミンC大量投与説が有名だが、まだ確実に実証されてはいない。ただ、いろいろな報告をもとにまとめてみると、ビタミンA 、C 、E 、βカロチンについてはガン予防効果があるように思われる。

ビタミンA の過剰摂取は避けなくてはならないが、ビタミンC 、E 、βカロチンについては、取り過ぎの心配はほとんど考慮しなくてよい。動物性脂肪は乳ガン、大腸ガンの発生頻度が高くなるので、高脂血症の予防も含めて摂取量を少なめにすることを心がける。

食物繊維はコレステロールの吸収を悪くするといわれており、また大腸ガンの予防に有用であり、便秘にも効果がある。緑黄色野菜を1日に300g以上とるようにつとめる。

熱い食べ物、飲み物をフーフーと吹いて食べたり飲んだりしている人がよくいるが、これも粘膜を傷害してよくない。保存食品や、煉製品、瓶詰、缶詰類の食品は連用を避ける。

なるべく新鮮な魚、肉類、野菜を調理して食べるように心がけていただきたい。これは食品全体にいえることであるが、熱を加えすぎると、タール成分ができるので、この中に含まれている発ガン物質が細胞を傷害する。長い間保存すると、変性とカビによる発ガン物質の生成が問題となる。同じ食品を常に食べるのも感心しない。特にワラビとかふきのとうを連用するのは避ける。お米屋さんも時どき変えるとか、食品の種類は1日に30種類以上を食べるように、それも毎日調理を工夫し、味付けなども変化させるように努力したい。

糖尿病

糖尿病にかかっていると思われる患者のほとんどが病気に気付いていない

糖尿病による死亡率は年ごとに増えており、三大成人病についで問題となっている。国内では約200万人以上の糖尿病患者がいると推定されている。しかもそのほとんどの人が、自分では糖尿病を自覚していない状態にある。

糖尿病は膵臓より分泌されるインスリンの量が不足して起こる糖質を中心とした代謝異常状態で、遺伝的素因に関係の深い病気である。インスリン不足のために血液中のブドウ糖濃度(血糖値)は上昇し、尿の中にまでブドウ糖が認められることになる(尿糖陽性)。

糖尿病の自覚症状は、初期の段階では認められない。中等度以上に進展すると、多食、多飲、多尿、口のかわき、疲れやすい、などの症状が出てくる。したがって、治療のもっとも有効な早期糖尿病を自覚症状から発見することは不可能で、血糖値の測定、尿糖の検査が早期発見の決め手である。

死に至る怖い糖尿病の合併症

糖尿病を放置すると、糖尿病性昏睡を起こすことがある。これは血中にケトン体が増加して血液が酸性(アシドーシス)となって、pHは7.25以下となるもので、適切な治療が加えられないと死に至る。

血管障害が一番問題である。糖尿病の血管障害は大血管にも微小血管にも起こり、動脈硬化症を認めることになる。心筋梗塞、狭心症、脳出血、脳梗塞、下肢の壊痘、糖尿病性腎症、網膜症が進展し、治療しても、元の状態には戻らないことが多い。

神経障害は中枢神経、末棉神経、自律神経の三者にあらわれるが、問題となる障害は末梢神経と自律神経の障害である。末梢神経障害は下肢に両側性に起こることが多く、対称的な痛みや、感覚異常を訴える。

筋肉の萎縮を認めることもある。自律神経障害としては性欲減退、起立性低血圧、膀胱障害、発汗低下、消化器障害、関節障害などがある。糖尿病患者には感染症が起こりやすい。特に肺炎、尿路感染症が問題となり、抗生物質の効きが悪いので感染が長びくことがある。下肢に生じた壊痕が難治性となることはよく知られていることである。
糖尿病の合併症について詳しく。

食事療法のポイント

自分の身長から標準体重をわりだし総カロリーを決める

糖尿病の治療は、もともと不足しているインスリンを極力節約することであり、どうしても足りない場合にはインスリンを注射することになる。治療法は、食事療法、運動療法、薬物療法の3つに分かれる。中でも食事療法は最も大切で、インスリンを節約するための基本療法である。食餌療法は次の2項目が基本となる。

  1. 総カロリーは必要最少量に制限する。
  2. それぞれの栄養素はバランスのとれた質と量を確保する。

総カロリーの決定と標準体重の決め方は、以下のとおり。
<総カロリー=標準体重×C>
<身長×身長×22=標準体重>
標準体重が決まると、次にはC(労作別体重1kg当たりの所要キロカロリーの値である。

一般事務職(1日座って仕事をする人)ではCは25~30とする。主婦、教師、看護師、医師などはCを30~35とする。農業などの戸外作業従事者ではCは35~40とする。
実際には、総カロリーはそれぞれ個人によって異なっているので、経過を観察しながら加減する。

肥満した人のCは、食餌療法開始の時点では15~20に決める。また妊婦、授乳中の婦人、20歳以下の発育期にあるものではCを大きくすることになる。総カロリーが決まると、そのキロカロリーを三大栄養素にどのような割合で振り分けるかということになる。

タンパク質
体重1キロ当たり1~1.5グラムのたんばく質を摂る。そのうちで30~40%は動物性たんばく質として摂り、獣肉と魚肉の割合を半々にする。大体の目安としては、女性では1日にたんばく質60グラム、男性では70グラムである。たんばく質60グラムのカロリーは4を掛けて240キロカロリーとなる。たんばく質のカロリーを総カロリーより引き、残ったカロリーを脂質と糖質に配分する。
脂質
1日に30~60グラムとする。総キロカロリーの20~25%を脂質でまかなう。そのうち不飽和脂肪酸の量を多くし、P / S を1.5とする。脂質1グラム のカロリーは9キロカロリーである。
糖質
たんばく質と脂質の合計したキロカロリーを引き去った残りのカロリーを、糖質の摂取にあてる。一般的には150~30グラム を1日量とする。糖質1グラム は4キロカロリーである。
ビタミン・ミネラル
たんばく質の肉類、脂質を含む食品、糖質を含む穀類の中にはビタミン、ミネラルが含まれているが、特に野菜には多く含まれているので1日量として野菜を300グラム以上とるように心掛ける。そのうち100グラムは緑黄色野菜とする。
食物繊維
日本食には食物繊維が多く、日本人の平均寿命が世界一となったこともあって日本食が再評価されている。本食が再評価されている。食物繊維は腸からの栄養の吸収を遅延させて、糖尿病にはよい効果を発揮する。また便秘を防ぎ、脂肪の吸収を阻害して血液のコレステロールを減少し、大腸ガンや大腸憩室の予防にもなっている。

ところで、糖尿病の人がバランスのとれた栄養配分ができるように献立メニューを作りたい時に役立つのが「糖尿病治療のための食品交換表」である。これは食品群に分けられ、80キロカロリーを1単位として、同一キロカロリー同士の食品の量目がわかるようになっている。同書では、総カロリーが決まると、前述の栄養素の配分を考慮に入れた上で自由に食品の訓選択ができるので非常に便利である。

運動療法のポイント

運動するとインスリンの節約になるので、毎日、各自の心臓の機能に合わせて行う。空腹時を避けて食後1~2時間の時点でやるとよい。はじめは15分聞くらいから開始して、だんだんと強化して一時間前後の運動量にもっていくとよい。ただし合併症のある人は運動のできないこともある。

薬物療法、血糖降下剤とインスリンの注射

糖尿病の人の薬には、経口血糖降下剤とインスリン注射がある。食餌療法と運動療法で効果が認められない場合にこれらの薬物療法を用いるわけだが、もちろん医師の指導のもとに行う。

インスリン注射は毎日、自分で行なう。経口血糖降下剤にもインスリン注射にも、副作用として低血糖が起こることをつねに考えておかねばならない。

高血圧

働きざかりの年代からは定期的な血圧測定が必須

高血圧症は、原因の明らかな症候性高血圧と原因不明の本態性高血圧症の2つに分けられているが、高血圧症の大半は、本態性高血圧症である。ここでは本態性高血圧症について述べることにする。高血圧の自覚症状について、調査した報告がある。

この調査では高血圧症患者と正常血圧者の自覚症状(頭痛、めまい、耳鳴り、肩コリ、手足のシビレ) について有意差を認めていない。したがって、自覚症状でもって高血圧を早期発見することはできない。

そこで、高血圧の早期発見には、血圧を測定することである。特に活動的、積極的に仕事に精出す中年以上の方には、定期的血圧測定が必要である。専門医に指導を受ければ、自分で血圧を測るのもさしてむずかしいことではない。.テルモ、オムロンそのほかから自動血圧計が市販されている。

コレステロールの多い食品

100グラム中/mg

  1. あひるの卵
  2. 卵黄
  3. 全卵
  4. うずら卵
  5. すじこ
  6. たらこ
  7. ねりうに
  8. 数の子
  9. 鶏もつ
  10. 豚レバー
  11. 牛レバー
  12. マヨネーズ
  13. カステラ
  14. バームクーヘン
  15. ブルーチーズ
  16. うなぎ
  17. いか
  18. 伊勢エビ
  19. 桜エビ
  20. ししゃも
  21. 小女子(佃煮)

高血圧を予防する5つのポイント

1日8グラム以下に減塩する

本態性高血圧の原因が不明であることから確実な予防法はないが、食塩の摂取量と血圧の相関関係についてはよく知られている。1日の食塩摂取量が20グラムの成人では、平均収縮期血圧(最高血圧)は約150mmHGを示すが、調味料として食塩を用いることを知らないインディアンの血圧は100mmHGくらいの平均収縮期血圧である。

食塩の1日必要量は1グラムとされているので、現在の私たちの食塩摂取量は必要量の3倍ということになる(1人1日食塩摂取量12.9グラム。

高血圧を予防するため、また高血圧の治療としてもこの摂取量をできる限り少なくしたい。1日8グラム以下に制限するのはそれほど困難なことではないが、治療のためには1日5グラム以下で効果の出てくることが多い。

みそ汁のみその量を3分の1に減らす、たくあん、梅干などを3分の1に減らす、調味料として減塩しょうゆ、減塩みそを使うなどが実行しやすい方法であろう。

ストレスをためない

精神的緊張、過労、不安などが長い間続き慢性化すると、動脈の血管壁は肥厚して血液の流れは悪くなる。一定の血流を確保するために血圧は高くなるので、血管壁はますます肥厚することになり悪循環を繰り返す。

ストレス対策としては、平凡だが快食、快眠、快便ということに尽きるだろう。ストレスの解消あるいはこれを回避することは、自分自身の問題として処理できる場合もあるが、職場単位あるいは地域単位で取り組むことが必要となることもある。

肥満に注意

標準体重に比較して20以上のの体重増加を「肥満」と呼んでいるが、肥満している人には高血圧の頻度が高い。体重を減らすと血圧は下がることが多い。したがって肥満しないことが高血圧の予防となり、肥満して高血圧症の人は、減量することがまず第一に始めなくてはならない治療法である。

運動不足

運動不足で血圧が上昇することもある。全身の運動を数十分間続け、汗を流し、呼吸が頻回となり、心臓の樽動が激しくなると血圧は上昇するが、この血圧上昇は蒜的な現象で、その後に血圧下降が続き、全体としてみると、運動は血圧を下げる効果がある。特に肥満して血圧の高い人には、運動療法を続けることをすすめる。

日常生活上の節制

睡眠、栄養のバランス、仕事、運動、休養などに充分な配慮を必要とする。日常生活の乱れは高血圧だけでなく消化器疾患、精神、神経疾患とも関係が深い。

酒を飲んで酔っている時には、一般的にはアルコールの血管拡張作用でもって血圧は下がつているが、その後に血圧上昇が持続するので、全体としては酒は血圧を上昇させる。

ただし、酒の作用は量の問題がからんでくるので、酒が血圧に悪いとばかりはいえない。適量(個人差あり)の酒は、精神的緊張を取り除いてくれるし、善玉コレステロールのHDLコレステロールを増加させる作用を持っている。

身体に入ったアルコールは肝臓で代謝され、その処理能力は体重1kgについて1時間に100mgとされて.いる。しかし、1日量としてアルコール換算で30g以下であるならば、酒の害はないと考えられる。

タバコと喉頭ガン、肺ガン、心筋誓などとの関係はよく研究されているが、タバコと血圧の関係についての研究は少ない。常習的喫煙者と高血圧の間には直接的な相関関係は見出されていない。しかし、タバコは心臓の血管並びに脳血管には明らかに悪い影響を与えるので、高血圧症の人はタバコを喫わないように努力することである。

降圧剤を常用しなければならない人の血圧の目安とは

本態性高血圧の初期では血圧は不安定で、薬を服用すべきかどうか、医者でも迷うことがある。重症高血圧(収縮期血圧200mmHG以上、拡張期血圧115mmHG以上)の人には前述の予防法の実行と同時に薬の服用もすすめる。

軽症高血圧(や中等度高血圧人では前述の予防法の効果のない場合で拡張期血圧が100mmHG以1を示す人は、やはり薬の服用を考慮する。拡張期血圧が100mmHG以下の人でも、

  1. 家族歴に脳出血、脳梗塞、心筋梗塞が認められる。
  2. 高脂血症がある。
  3. 臓肥大、左室肥大がある。
  4. 年齢が50歳以上である。

などの条件を備えている人は、服薬を開始するのがよいと思われる。

血圧の薬(降圧剤を服用し始めた場合、原則的に生涯続けなければならない。途中で薬の服用を勝手に中止すると、危険な場合が多い。主治医の指示により中止する場合でも医師の管理のもとで経過の観察を続けてゆくことになる。

血圧の薬はその作用機序に従って大別すると、利尿剤、神経系に作用する降圧剤、血管拡張剤の3種類に分かれる。本態性高血圧に有効な薬は、医師の処方を必要とする医療用医薬品がほとんどである。
薬局で自由に買える般薬では漢方製剤がある。血圧を下げる漢方薬はこちら

血圧を下げるのは降圧剤ばかりでなく、生活習慣、食習慣が大きく影響する。薬を使わずに血圧を下げるには詳細情報が紹介されている。

妊娠

つわりには漢方薬がよく効く

妊娠の5~6週頃にはじまる悪心、嘔吐は「つわり」である。初めての妊娠では症状は強く、経産婦では症状は軽くなる。普通の悪心、嘔吐とは違って、早朝空腹時に起こることが多い。

妊娠中・出産後の不快な症状

たいていの場合、16週頃になると自然に消えるが、なかには重症化して嘔吐が続き、全身状態の悪くなることもあり、妊娠悪阻と呼ばれている。胎盤の絨毛より出てくるいろいろな物質が、母体の内分泌、代謝、自立神経に作用して失調をもたらすとされている。

漢方薬が良く効く。畑の中などによく生えてくる半夏を主剤としたものが多い。
小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)は、つわりの初期に頻繁に与えるとよい。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)は咽頭部の異常感や、胸がつかえるなどと訴える、神経質な、あるいはヒステリーの性格の方に適した薬となっている。

胎児・母体への薬の副作用について

母体と胎児、環境と胎児の関係を研究する新しい医学の分野に胎児学(出産前医学)がある。この方面の医学の進歩にはめざましいものがある。

わが国には昔から「胎教」という言葉があり、妊娠中の婦人の心得として民間療法的な色の濃い存在であったが、今や科学的な裏づけがなされつつある。

一般的に大きな騒音、叫び声、怒号、母親の感情の動揺で胎児脈拍数はぐんと多くなる。母親の喫煙、アルコール摂取が胎児に悪い影響を与えることもはっきりしてきた。

妊娠中に服用した薬の副作用は、母体と胎児の両方について考えなくてはならない。さて妊娠中の母体の生理的変調は、胎盤と胎盤ホルモン、胎児の容積によるもので、代謝の克進、循環器と内分泌系の不安定、血琴量の増加などが起こっている。

薬の作用ならびに副作用も少量で出てくることもある。妊娠中の糖尿病の薬としてインスリン投与を行うことがあるが、低血糖におちいらないために普通に投与するよりも少量から始めるのは医師の常識である。

その他、睡眠剤、鎮痛剤、感冒薬なども服用は極力避け、服用する場合には医師の指示に従って少量を用いる。予防接種は妊娠していないときに受けるべきで、特に生ワクチンの接種は受けない。

胎児への薬の副作用で問題となるのは、いろいろな器官の発生する妊娠の始まり(着床) から3ヶ月の終わりまでの時期(胎芽期、器官発生期) である。
この時期に母体の服用した薬の障害は形態異常、すなわち「先天奇形」となってあらわれることがある。妊娠中期(器官形成期)からは、胎児の薬に対する感受性は低下はしても、なお薬の傷害はいろいろな器官の機能異常をもたらす。

したがって、流産、発育遅延、臓器機能障害、知能障害、病弱、短命などの異常が出てくることもある。次にあげるものは、妊娠初期に用いると催奇形作用の危険性がある薬である

検査薬を利用される場合には、「使用上及び取扱い上の注意」を繰り返して読んでいただきたい。なお妊娠していなくても結果が陽性に出ることもあるし、陰性でも安心できないこともある。

避妊薬、ピルとIUD

近頃の家族構成をみると、ひとりっ子の家庭が多い。それぞれの家庭で住宅事情や金銭の面を考えて受胎調節が実行されていることを物語っている。
受胎調節として最近いろいろな意味で問題となっているのがピル(経口避妊薬)とIUD(子宮内避妊器具) である。

ピルの服用は今や全世界で行われていて、その数は5000万人以上に達するといわれている。わが国では肝障害、血液凝固系への影響、妊娠した場合の胎児への影響などが問題となって、一般的ではない。

月経困難症や卵巣機能不全、月経周期の調節のためにピルを医師が渡しているのが現状である。ただし、近い将来には経口避妊薬として承認される状況となった。

ピルにはいろいろな種類があるが、合成黄体ホルモンと合成卵胞ホルモン系の合剤(低用量ピル)が主流を占めている。低用量ピルがよく使われており、以前に比較すると副作用は減少して、そのうえ効果は抜群である。

服用は1日1錠、月経周期の第5日から服用を開始して22日間続ける。しかし乳ガン、子宮ガン、血栓症、肝疾患の患者ならびに疑いのある場合には服用してはならない。
もちろんのことであるが、服用前には医師の診察を受け、指示に従うことが大切である。IUD はリングの名で知られている。婦人科医師による子宮内挿入と定期的検査を受けなくてはならない。

全世界の使用者数は5000万人以上と推定されている。わが国で使用許可になっているリングは、まだまだ少ない。ある産婦人科医の話によれば、「IUDを装着している女性が100人いれば、1年間にそのうち2~3人は妊娠している」とのことで完全な避妊はのぞめない。

脳卒中

脳出血、脳梗塞、くも膜下出血の 原因と治療

脳卒中は脳の血流障害によって急に意識を失ったり、半身不随や嘉障害などが起こってくる病気で、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などがある。タイプによって手当や治療が違う。

脳出血の原因としては、高血圧性脳出血が頻度としては一番多くて、寒い季節、高血圧の人に起こる傾向がある。たとえば、元気に仕事をしていた人が突然その場に倒れ、意識がなくなり半身不随となり、嘔吐、尿失禁を認め、医師の往診で脳出血とわかる。
突然死を防ぐはこちら。

大出血を脳の中で起こしている場合には、意識障害も強く起こり、呼吸が異常となり、大きないびきをかき、ときには全身のけいれんを起こすこともある。

はじめての卒中発作でその約40% は数日内に死亡するが、1週間以上生存しえた場合には生命の予後は比較的良好といえる。

脳出血の予防は高血圧の治療と予防を心がけることが一番大切である。脳梗塞には脳血栓と脳塞栓の2つがある。脳血栓は、もともと脳動脈硬化が基礎疾患としてあり、その硬化した動脈壁に血液が凝固して血栓を形成してくる場合で、症状は段階的に進行する。

言語障害などもだんだんと進行してゆく。脳塞栓は、脳出血の場合と同じく突然起こることがしばしばで、その基礎疾患として、心臓病、不整脈(心房細動)、頚動脈や大動脈に病変が認められていることが多い。

前記の疾患によってできあがっていた血栓が血流ではこばれてきて、脳動脈につまるわけである。したがって脳出血の場合と違って季節的な影響は少ない。

また、「片方の手や足が数分動かなくなった」、「まるでカーテンを引いたように目の前が暗くなる」などの前ぶれがあるのが特徴である。脳を包んでいる三層の膜のうち、外から二番目のものをくも膜という。くも膜下出血の80% は脳動脈瘤の破裂によって起こっている。そのほかの原因として、高血圧、動静脈奇形、動脈硬化、腫瘍、炎症、頭部外傷、出血素因などが挙げられている。

症状は多くの場合、突然に後頭部痛、項部硬直、嘔吐が起こり意識が障害され、24時間内に15%が死亡する。治療は脳外科医の関頭術による動脈瘤のクリッピングである。

こんな症状の時は病院への移送も危険

脳卒中の患者は、可能な限り入院治療を原則とし、医師の指示に従うことである。病院への移送が困難な状態としては次のような点が挙げられている。血圧の著明な低下、深い昏睡状態、呼吸の乱れが著しい、両側瞳孔散大対光反射消失、体温の低下、除脳硬直を認める、などである。

このよどうこううな状態で移送する場合には、途中で死亡する危険性が大きくなる。脳卒中急性期の治療には医師と看護婦のチームワークが要求される。
呼吸、血圧、脳圧、補液栄養補給が大事。

投与する薬は、死に瀕している脳細胞を助けるためのもので、脳圧を下げ、脳の血流と代謝を正常に戻し、血液性状を改善する薬であることが要求される。

リハビリについて

脳卒中の後遺症として四肢の運動マヒ、言語障害、知覚障害の残ることが多いので、リハビリテーションを行うことになる。一般的には臥床期からはじめる。体位変換、他動運動、自助他動運動、自動運動、起坐訓練、起立訓練、歩行訓練の順に進めていく。理学療法士、作業療法士らの専門の訓練士の指導を受けて気長に努力することで、四肢の麻痺はかなりの程度まで回復することが多い。

失語症のリハビリテーションは、四肢の麻痺回復ほどには効果のあがらない場合が多い。脳の損傷部位により言葉の理解が障害されている場合と、表現が障害されている場合の2つがある。いずれも言語療法士によって行われることが原則。言葉や文字の訓練をして社会復帰を目指すには、長い期間を覚悟して、患者、医師、療法士、家族の協力が必要である。

脳梗塞の治療に使われる薬はこちら。

成人病薬

成人病と寿命

日本人の平均余命は男性が76歳、女性が82歳となっており、世界各国との比較では、男女ともに1位は日本である。2位は男性ではアイスランド(75.7歳、3位香港(74.9歳、女性の2位はフランスで80.9歳、3位が香港で80.5歳となっている。

死因順位は、1位は悪性新生物(ガン)、2位が心疾患( 心筋梗塞など)、3位が脳血管疾患(脳出血など)となっており、昭和六十年以降、変化はない。
総死亡数に占めるこれら3大成人病の合計は61% となる。つまり、100人の死亡数のうち61人は三大成人病で死亡している。

成人病と遺伝子

ヒトの身体を構成する基本単位は細胞で、ヒト1人は60兆個の細胞でできているといわれる。この細胞の内部では、糖質、脂質、アミノ酸などの低分子化合物はもとより、多種多様の構造と機能をもった高分子化合物であるたんばく質が数万種類も作られている。

たとえば、化学反応を触媒する酵素、身体を構築している構造たんばく質、インスリンのようなホルモン、抗原に抵抗して病気を治してくれる抗体(免疫グロブリン)、細胞の表面や内部に設置されていて、ホルモンあるいは酵素とドッキングして効果を発拝する受容体(レセプター)など、すべて細胞の内部で合成されている。

細胞の内部はまさに物質合成工場である。そこで主役をつとめるのは、遺伝子(染色体DNA)と呼ばれる二重らせん構造をもった高分子化合物である。

この遺伝子が集合して染色体を構成している。ヒトの染色体は、2本1組の相同染色体として23組、46本ある。二本の染色体がⅩ型に交差した相同染色体の一方は母親から、他方は父親から遺伝したものである。

この46本の全染色体の上には十万個の遺伝子が存在するといわれている。遺伝子は前述のとおり、細胞内での物質の合成に主役を演ずるだけではなくて、細胞分裂に際しては、自分自身を正確に再生することができる遺伝の機能的単位でもある。

これが「遺伝子」の名前がつけられた所以である。細胞の中で合成されるたんばく質を主成分とした高分子化合物の中には、本来の生理的機能を発揮することのできない、いわば欠陥商品のような高分子化合物が合成されることがある。

このような欠陥商品の製造は先天的にも後天的にも起こっていて、これは合成工場で主役を演ずる遺伝子に欠陥があるためとされている。これが原因となって病気が出てくる場合には、遺伝子病と呼ばれている。

たとえば、細胞の表面、あるいは内部に設置されている受容体の異常によって起こる遺伝子病には、「インスリン受容体異常症」(糖尿病)、LDL受容体異常症(家族性高脂血症) を挙げることができる。

いろいろな悪性新生物であるガンをはじめとしてほとんどの成人病、精神・神経疾患、代謝性疾患、遺伝性疾患には遺伝子が直接あるいは間接的に関与していると考えられている。

遺伝子にはまったく関係のないと思われる外傷にしても、細菌による感染症にしちゆても、治癒過程にはもちろん免疫反応が関与しているが、それらの起こる根源的なところでの関与も最近では検討されている。つまるところ、遺伝子に関係のない病気はないといっても過言ではない。

老化は25歳頃から始まるといわれるが、いつも休まず働きつづける血管から、真っ先に老化が進むので、ガンは別として、脳血管疾患(脳出血、脳梗塞)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞) は、いずれも血管の病変が原因となっている。
狭心症、心筋梗塞 動脈硬化の予防が最善策 | 血液・血管の浄化

そこで、高血圧、高脂血症、糖尿病などの、血管を傷害する病気を早期に発見して治療することが成人病治療の最大のテーマということになる。

人間ドックで早期発見できれば、何倍もの治療効果がある

人間ドックで早期発見できれば、何倍もの治療効果がある成人病を発見されても悲観することはない。早期に発見して早期治療を加えれば健康な人と変わらない天寿を全うすることが可能である。

よく、「一病息災」といわれる。持病のある人は、医師との付き合いが日常化されていてその指示が受けやすく、日常生活での節制を心掛け、無理をしないという習慣が身についているためと思われる。

しかし、死に至る成人病のほとんどは、治療効果のあがる早期の状態では発見されていない。人生80年時代を生き抜くためには、定期的な健康診断(人間ドック)がどうしても必要である。