高血圧

働きざかりの年代からは定期的な血圧測定が必須

日本人が悩む代表的疾患の1つが高血圧。高血圧の薬とのつき合いも長くなりがちで、その分「本当に自分に合っているのかな?」という疑問がわくことも。
ここでは、それぞれの高血圧薬の特徴と注意点を解説。
高血圧症は、原因の明らかな症候性高血圧と原因不明の本態性高血圧症の2つに分けられているが、高血圧症の大半は、本態性高血圧症である。

この調査では高血圧症患者と正常血圧者の自覚症状(頭痛、めまい、耳鳴り、肩コリ、手足のシビレ)について有意差を認めていない。したがって、自覚症状でもって高血圧を早期発見することはできない。

そこで、高血圧の早期発見には、血圧を測定することである。特に活動的、積極的に仕事に精出す中年以上の方には、定期的血圧測定が必要である。専門医に指導を受ければ、自分で血圧を測るのもさしてむずかしいことではない。.テルモ、オムロンそのほかから自動血圧計が市販されている。

コレステロールの多い食品

100グラム中/mg

  1. あひるの卵
  2. 卵黄
  3. 全卵
  4. うずら卵
  5. すじこ
  6. たらこ
  7. ねりうに
  8. 数の子
  9. 鶏もつ
  10. 豚レバー
  11. 牛レバー
  12. マヨネーズ
  13. カステラ
  14. バームクーヘン
  15. ブルーチーズ
  16. うなぎ
  17. いか
  18. 伊勢エビ
  19. 桜エビ
  20. ししゃも
  21. 小女子(佃煮)

高血圧を予防する5つのポイント

1日8グラム以下に減塩する

本態性高血圧の原因が不明であることから確実な予防法はないが、食塩の摂取量と血圧の相関関係についてはよく知られている。1日の食塩摂取量が20グラムの成人では、平均収縮期血圧(最高血圧)は約150mmHGを示すが、調味料として食塩を用いることを知らないインディアンの血圧は100mmHGくらいの平均収縮期血圧である。

食塩の1日必要量は1グラムとされているので、現在の私たちの食塩摂取量は必要量の3倍ということになる(1人1日食塩摂取量12.9グラム。

高血圧を予防するため、また高血圧の治療としてもこの摂取量をできる限り少なくしたい。1日8グラム以下に制限するのはそれほど困難なことではないが、治療のためには1日5グラム以下で効果の出てくることが多い。

みそ汁のみその量を3分の1に減らす、たくあん、梅干などを3分の1に減らす、調味料として減塩しょうゆ、減塩みそを使うなどが実行しやすい方法であろう。

ストレスをためない

精神的緊張、過労、不安などが長い間続き慢性化すると、動脈の血管壁は肥厚して血液の流れは悪くなる。一定の血流を確保するために血圧は高くなるので、血管壁はますます肥厚することになり悪循環を繰り返す。

ストレス対策としては、平凡だが快食、快眠、快便ということに尽きるだろう。ストレスの解消あるいはこれを回避することは、自分自身の問題として処理できる場合もあるが、職場単位あるいは地域単位で取り組むことが必要となることもある。

肥満に注意

標準体重に比較して20以上のの体重増加を「肥満」と呼んでいるが、肥満している人には高血圧の頻度が高い。体重を減らすと血圧は下がることが多い。したがって肥満しないことが高血圧の予防となり、肥満して高血圧症の人は、減量することがまず第一に始めなくてはならない治療法である。

運動不足

運動不足で血圧が上昇することもある。全身の運動を数十分間続け、汗を流し、呼吸が頻回となり、心臓の樽動が激しくなると血圧は上昇するが、この血圧上昇は蒜的な現象で、その後に血圧下降が続き、全体としてみると、運動は血圧を下げる効果がある。特に肥満して血圧の高い人には、運動療法を続けることをすすめる。

日常生活上の節制

睡眠、栄養のバランス、仕事、運動、休養などに充分な配慮を必要とする。日常生活の乱れは高血圧だけでなく消化器疾患、精神、神経疾患とも関係が深い。

酒を飲んで酔っている時には、一般的にはアルコールの血管拡張作用でもって血圧は下がっているが、その後に血圧上昇が持続するので、全体としては酒は血圧を上昇させる。

ただし、酒の作用は量の問題がからんでくるので、酒が血圧に悪いとばかりはいえない。適量(個人差あり)の酒は、精神的緊張を取り除いてくれるし、善玉コレステロールのHDLコレステロールを増加させる作用を持っている。

身体に入ったアルコールは肝臓で代謝され、その処理能力は体重1kgについて1時間に100mgとされて.いる。しかし、1日量としてアルコール換算で30g以下であるならば、酒の害はないと考えられる。

タバコと喉頭ガン、肺ガン、心筋誓などとの関係はよく研究されているが、タバコと血圧の関係についての研究は少ない。常習的喫煙者と高血圧の間には直接的な相関関係は見出されていない。しかし、タバコは心臓の血管並びに脳血管には明らかに悪い影響を与えるので、高血圧症の人はタバコを喫わないように努力することである。
禁煙ならこちら

降圧剤を常用しなければならない人の血圧の目安とは

本態性高血圧の初期では血圧は不安定で、薬を服用すべきかどうか、医者でも迷うことがある。重症高血圧(収縮期血圧200mmHG以上、拡張期血圧115mmHG以上)の人には前述の予防法の実行と同時に薬の服用もすすめる。

軽症高血圧(や中等度高血圧人では前述の予防法の効果のない場合で拡張期血圧が100mmHG以上を示す人は、やはり薬の服用を考慮する。拡張期血圧が100mmHG以下の人でも、

  1. 家族歴に脳出血、脳梗塞、心筋梗塞が認められる。
  2. 高脂血症がある。
  3. 臓肥大、左室肥大がある。
  4. 年齢が50歳以上である。

などの条件を備えている人は、服薬を開始するのがよいと思われる。

血圧の薬(降圧剤を服用し始めた場合、原則的に生涯続けなければならない。途中で薬の服用を勝手に中止すると、危険な場合が多い。主治医の指示により中止する場合でも医師の管理のもとで経過の観察を続けてゆくことになる。

血圧の薬はその作用機序に従って大別すると、利尿剤、神経系に作用する降圧剤、血管拡張剤の3種類に分かれる。本態性高血圧に有効な薬は、医師の処方を必要とする医療用医薬品がほとんどである。
薬局で自由に買える般薬では漢方製剤がある。血圧を下げる漢方薬はこちら

血圧を下げるのは降圧剤ばかりでなく、生活習慣、食習慣が大きく影響する。薬を使わずに血圧を下げるには詳細情報が紹介されている。

代表的な降圧剤

高血圧を放置すると、血管が硬くもろくなる動脈硬化の進行が加速し、さらなる高血圧を招くとともに、脳出血や脳硬塞、狭心症や心筋梗塞、腎不全など命に関わる病気を発症する危険性が増大します。早めに治療を開始し、高血圧薬などで継続的にコントロールすることが重要です。

高血圧の治療薬は、血管を収縮させる物質の働きを抑える薬、利尿剤、血圧を上昇させる交感神経の働きを抑える薬に大別される。
出された薬をきちんと飲むと同時に、薬だけに頼らず、減塩や運動を心がけるなど、生活習慣の改善も重要になる。血圧は、市販の血圧計を使い、自分で簡単に測定できる。
きちんと血圧コントロールができているかを把握するためにも、定期的に測定する。自宅で血圧を測定するときは毎日同じ時問に、同じ姿勢、同じ場所で測ることが大切。

血圧測定は座って行い、腕などの測定部位が心臓と同じ高さになるようにする。起床後に加え、自分が決めた時間帯にと、1日2回くらい測定するとよい。
加齢とともに動脈硬化が進む傾向があるので、高血圧の薬を飲んでいても、血圧が上がってくる人も多い。今飲んでいる薬では血圧をうまくコントロールできなくなってきたと感じたら、血圧記録を持参して主治医に相談する。
また、高血圧の薬を服用中に、便秘や下痢などの胃腸の症状や、頭痛、めまい、ふらつきなどが現れた場合は、薬の見直しが必要になることもあるので、主治医か薬剤師に相談する。

薬なしで血圧を下げたい

体に合えば民間療法でも血圧を下げ安定させることも可能。生活習慣を改善することとむやみに怒ったりしないことも大切。

妊娠

つわりには漢方薬がよく効く

妊娠の5~6週頃にはじまる悪心、嘔吐は「つわり」である。初めての妊娠では症状は強く、経産婦では症状は軽くなる。普通の悪心、嘔吐とは違って、早朝空腹時に起こることが多い。

妊娠中・出産後の不快な症状

たいていの場合、16週頃になると自然に消えるが、なかには重症化して嘔吐が続き、全身状態の悪くなることもあり、妊娠悪阻と呼ばれている。胎盤の絨毛より出てくるいろいろな物質が、母体の内分泌、代謝、自立神経に作用して失調をもたらすとされている。

漢方薬が良く効く。畑の中などによく生えてくる半夏を主剤としたものが多い。
小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)は、つわりの初期に頻繁に与えるとよい。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)は咽頭部の異常感や、胸がつかえるなどと訴える、神経質な、あるいはヒステリーの性格の方に適した薬となっている。

胎児・母体への薬の副作用について

母体と胎児、環境と胎児の関係を研究する新しい医学の分野に胎児学(出産前医学)がある。この方面の医学の進歩にはめざましいものがある。

わが国には昔から「胎教」という言葉があり、妊娠中の婦人の心得として民間療法的な色の濃い存在であったが、今や科学的な裏づけがなされつつある。

一般的に大きな騒音、叫び声、怒号、母親の感情の動揺で胎児脈拍数はぐんと多くなる。母親の喫煙、アルコール摂取が胎児に悪い影響を与えることもはっきりしてきた。

妊娠中に服用した薬の副作用は、母体と胎児の両方について考えなくてはならない。さて妊娠中の母体の生理的変調は、胎盤と胎盤ホルモン、胎児の容積によるもので、代謝の克進、循環器と内分泌系の不安定、血琴量の増加などが起こっている。

薬の作用ならびに副作用も少量で出てくることもある。妊娠中の糖尿病の薬としてインスリン投与を行うことがあるが、低血糖におちいらないために普通に投与するよりも少量から始めるのは医師の常識である。

その他、睡眠剤、鎮痛剤、感冒薬なども服用は極力避け、服用する場合には医師の指示に従って少量を用いる。予防接種は妊娠していないときに受けるべきで、特に生ワクチンの接種は受けない。

胎児への薬の副作用で問題となるのは、いろいろな器官の発生する妊娠の始まり(着床) から3ヶ月の終わりまでの時期(胎芽期、器官発生期) である。
この時期に母体の服用した薬の障害は形態異常、すなわち「先天奇形」となってあらわれることがある。妊娠中期(器官形成期)からは、胎児の薬に対する感受性は低下はしても、なお薬の傷害はいろいろな器官の機能異常をもたらす。

したがって、流産、発育遅延、臓器機能障害、知能障害、病弱、短命などの異常が出てくることもある。次にあげるものは、妊娠初期に用いると催奇形作用の危険性がある薬である

検査薬を利用される場合には、「使用上及び取扱い上の注意」を繰り返して読んでいただきたい。なお妊娠していなくても結果が陽性に出ることもあるし、陰性でも安心できないこともある。

避妊薬、ピルとIUD

近頃の家族構成をみると、ひとりっ子の家庭が多い。それぞれの家庭で住宅事情や金銭の面を考えて受胎調節が実行されていることを物語っている。
受胎調節として最近いろいろな意味で問題となっているのがピル(経口避妊薬)とIUD(子宮内避妊器具) である。

ピルの服用は今や全世界で行われていて、その数は5000万人以上に達するといわれている。わが国では肝障害、血液凝固系への影響、妊娠した場合の胎児への影響などが問題となって、一般的ではない。

月経困難症や卵巣機能不全、月経周期の調節のためにピルを医師が渡しているのが現状である。ただし、近い将来には経口避妊薬として承認される状況となった。

ピルにはいろいろな種類があるが、合成黄体ホルモンと合成卵胞ホルモン系の合剤(低用量ピル)が主流を占めている。低用量ピルがよく使われており、以前に比較すると副作用は減少して、そのうえ効果は抜群である。

服用は1日1錠、月経周期の第5日から服用を開始して22日間続ける。しかし乳ガン、子宮ガン、血栓症、肝疾患の患者ならびに疑いのある場合には服用してはならない。
もちろんのことであるが、服用前には医師の診察を受け、指示に従うことが大切である。IUD はリングの名で知られている。婦人科医師による子宮内挿入と定期的検査を受けなくてはならない。

全世界の使用者数は5000万人以上と推定されている。わが国で使用許可になっているリングは、まだまだ少ない。ある産婦人科医の話によれば、「IUDを装着している女性が100人いれば、1年間にそのうち2~3人は妊娠している」とのことで完全な避妊はのぞめない。

脳卒中

脳出血、脳梗塞、くも膜下出血の 原因と治療

脳卒中は脳の血流障害によって急に意識を失ったり、半身不随や嘉障害などが起こってくる病気で、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などがある。タイプによって手当や治療が違う。

脳出血の原因としては、高血圧性脳出血が頻度としては一番多くて、寒い季節、高血圧の人に起こる傾向がある。たとえば、元気に仕事をしていた人が突然その場に倒れ、意識がなくなり半身不随となり、嘔吐、尿失禁を認め、医師の往診で脳出血とわかる。
突然死を防ぐはこちら。

大出血を脳の中で起こしている場合には、意識障害も強く起こり、呼吸が異常となり、大きないびきをかき、ときには全身のけいれんを起こすこともある。

はじめての卒中発作でその約40% は数日内に死亡するが、1週間以上生存しえた場合には生命の予後は比較的良好といえる。

脳出血の予防は高血圧の治療と予防を心がけることが一番大切である。脳梗塞には脳血栓と脳塞栓の2つがある。脳血栓は、もともと脳動脈硬化が基礎疾患としてあり、その硬化した動脈壁に血液が凝固して血栓を形成してくる場合で、症状は段階的に進行する。

言語障害などもだんだんと進行してゆく。脳塞栓は、脳出血の場合と同じく突然起こることがしばしばで、その基礎疾患として、心臓病、不整脈(心房細動)、頚動脈や大動脈に病変が認められていることが多い。

前記の疾患によってできあがっていた血栓が血流ではこばれてきて、脳動脈につまるわけである。したがって脳出血の場合と違って季節的な影響は少ない。

また、「片方の手や足が数分動かなくなった」、「まるでカーテンを引いたように目の前が暗くなる」などの前ぶれがあるのが特徴である。脳を包んでいる三層の膜のうち、外から二番目のものをくも膜という。くも膜下出血の80% は脳動脈瘤の破裂によって起こっている。そのほかの原因として、高血圧、動静脈奇形、動脈硬化、腫瘍、炎症、頭部外傷、出血素因などが挙げられている。

症状は多くの場合、突然に後頭部痛、項部硬直、嘔吐が起こり意識が障害され、24時間内に15%が死亡する。治療は脳外科医の関頭術による動脈瘤のクリッピングである。

こんな症状の時は病院への移送も危険

脳卒中の患者は、可能な限り入院治療を原則とし、医師の指示に従うことである。病院への移送が困難な状態としては次のような点が挙げられている。血圧の著明な低下、深い昏睡状態、呼吸の乱れが著しい、両側瞳孔散大対光反射消失、体温の低下、除脳硬直を認める、などである。

このよどうこううな状態で移送する場合には、途中で死亡する危険性が大きくなる。脳卒中急性期の治療には医師と看護婦のチームワークが要求される。
呼吸、血圧、脳圧、補液栄養補給が大事。

投与する薬は、死に瀕している脳細胞を助けるためのもので、脳圧を下げ、脳の血流と代謝を正常に戻し、血液性状を改善する薬であることが要求される。

リハビリについて

脳卒中の後遺症として四肢の運動マヒ、言語障害、知覚障害の残ることが多いので、リハビリテーションを行うことになる。一般的には臥床期からはじめる。体位変換、他動運動、自助他動運動、自動運動、起坐訓練、起立訓練、歩行訓練の順に進めていく。理学療法士、作業療法士らの専門の訓練士の指導を受けて気長に努力することで、四肢の麻痺はかなりの程度まで回復することが多い。

失語症のリハビリテーションは、四肢の麻痺回復ほどには効果のあがらない場合が多い。脳の損傷部位により言葉の理解が障害されている場合と、表現が障害されている場合の2つがある。いずれも言語療法士によって行われることが原則。言葉や文字の訓練をして社会復帰を目指すには、長い期間を覚悟して、患者、医師、療法士、家族の協力が必要である。

脳梗塞の治療に使われる薬はこちら。

成人病薬

成人病と寿命

日本人の平均余命は男性が76歳、女性が82歳となっており、世界各国との比較では、男女ともに1位は日本である。2位は男性ではアイスランド(75.7歳、3位香港(74.9歳、女性の2位はフランスで80.9歳、3位が香港で80.5歳となっている。

死因順位は、1位は悪性新生物(ガン)、2位が心疾患( 心筋梗塞など)、3位が脳血管疾患(脳出血など)となっており、昭和六十年以降、変化はない。
総死亡数に占めるこれら3大成人病の合計は61% となる。つまり、100人の死亡数のうち61人は三大成人病で死亡している。

成人病と遺伝子

ヒトの身体を構成する基本単位は細胞で、ヒト1人は60兆個の細胞でできているといわれる。この細胞の内部では、糖質、脂質、アミノ酸などの低分子化合物はもとより、多種多様の構造と機能をもった高分子化合物であるたんばく質が数万種類も作られている。

たとえば、化学反応を触媒する酵素、身体を構築している構造たんばく質、インスリンのようなホルモン、抗原に抵抗して病気を治してくれる抗体(免疫グロブリン)、細胞の表面や内部に設置されていて、ホルモンあるいは酵素とドッキングして効果を発拝する受容体(レセプター)など、すべて細胞の内部で合成されている。

細胞の内部はまさに物質合成工場である。そこで主役をつとめるのは、遺伝子(染色体DNA)と呼ばれる二重らせん構造をもった高分子化合物である。

この遺伝子が集合して染色体を構成している。ヒトの染色体は、2本1組の相同染色体として23組、46本ある。二本の染色体がⅩ型に交差した相同染色体の一方は母親から、他方は父親から遺伝したものである。

この46本の全染色体の上には十万個の遺伝子が存在するといわれている。遺伝子は前述のとおり、細胞内での物質の合成に主役を演ずるだけではなくて、細胞分裂に際しては、自分自身を正確に再生することができる遺伝の機能的単位でもある。

これが「遺伝子」の名前がつけられた所以である。細胞の中で合成されるたんばく質を主成分とした高分子化合物の中には、本来の生理的機能を発揮することのできない、いわば欠陥商品のような高分子化合物が合成されることがある。

このような欠陥商品の製造は先天的にも後天的にも起こっていて、これは合成工場で主役を演ずる遺伝子に欠陥があるためとされている。これが原因となって病気が出てくる場合には、遺伝子病と呼ばれている。

たとえば、細胞の表面、あるいは内部に設置されている受容体の異常によって起こる遺伝子病には、「インスリン受容体異常症」(糖尿病)、LDL受容体異常症(家族性高脂血症) を挙げることができる。

いろいろな悪性新生物であるガンをはじめとしてほとんどの成人病、精神・神経疾患、代謝性疾患、遺伝性疾患には遺伝子が直接あるいは間接的に関与していると考えられている。

遺伝子にはまったく関係のないと思われる外傷にしても、細菌による感染症にしちゆても、治癒過程にはもちろん免疫反応が関与しているが、それらの起こる根源的なところでの関与も最近では検討されている。つまるところ、遺伝子に関係のない病気はないといっても過言ではない。

老化は25歳頃から始まるといわれるが、いつも休まず働きつづける血管から、真っ先に老化が進むので、ガンは別として、脳血管疾患(脳出血、脳梗塞)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞) は、いずれも血管の病変が原因となっている。
狭心症、心筋梗塞 動脈硬化の予防が最善策 | 血液・血管の浄化

そこで、高血圧、高脂血症、糖尿病などの、血管を傷害する病気を早期に発見して治療することが成人病治療の最大のテーマということになる。

人間ドックで早期発見できれば、何倍もの治療効果がある

人間ドックで早期発見できれば、何倍もの治療効果がある成人病を発見されても悲観することはない。早期に発見して早期治療を加えれば健康な人と変わらない天寿を全うすることが可能である。

よく、「一病息災」といわれる。持病のある人は、医師との付き合いが日常化されていてその指示が受けやすく、日常生活での節制を心掛け、無理をしないという習慣が身についているためと思われる。

しかし、死に至る成人病のほとんどは、治療効果のあがる早期の状態では発見されていない。人生80年時代を生き抜くためには、定期的な健康診断(人間ドック)がどうしても必要である。

不眠症

不眠症の原因とタイプ

不眠は、いろいろの原因で起こる。暑さ、寒さなどの不適当な部屋の温度や、不快な湿度、換気不充分、騒音、悪臭、光、寝具の変化、さらにはノミ、カ、ハエなど睡眠の敵である。

また、病気による身体的症状、嗜好品や脳の興奮性を高める薬、精神的ショック、感情的ストレスなどでも不眠をきたす。病気による身体的症状にはその治療が先決だが、そうでない、いわゆる常習的な不眠症は睡眠剤がよく効く。

睡眠障害には以下のようなタイプがある。

  1. 寝つきの悪い就眠障害型。
  2. 眠りが全般的に浅く、うつらうつらする熟眠障害型。
  3. 就眠はそれほど悪くないのだが、睡眠時間が短く、夜半から早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒型。
  4. 夜を通じて、不眠状態が続いてしまう終夜不眠型。
  5. 昼間は眠っていて、夜になると目がさえて眠れない昼夜逆転型。

などである。通常、これらの睡眠障害に対して、睡眠剤や精神神経安定剤を応用する。

睡眠剤は何がよいか

どうしても眠れないときの睡眠改善薬(睡眠鎮静薬)

現在は、抗ヒスタミン薬、ハーブ、漢方薬の3種類が主流となっています。

睡眠剤は毎日服用していると習慣性がつきやすく、飲まないではいられなくなってくる。その上、服用量も増していく傾向があるため、注意を要する。いたずらな連用は絶対にいけない。

もしどうしても続けて服用する場合には、成分の違うものにかえると比較的に習慣性が生じないですむ。どんな場合にも、睡眠剤の服用は必ず医師や薬剤師の指導に従ってほしい。

副作用のないものも最近は登場しています。
快眠ぐっすり酵素「セロトアルファ」で睡眠薬が不要に

睡眠剤

睡眠が不足すると脳組織中に有害物質が増える

人が生きていくのに、睡眠ほど大切なものはない。快い睡眠が1日の疲労を癒し、明日への活力源となることはいうまでもない。眠れない夜が続くと、仕事のミスが続出する。

夜の眠りが不充分な場合、昼の緊張の持続も悪くなり、気が散って集中できないためである。断眠実験の報告はいろいろあるが、約四昼夜となっている。

つまり人間はここまでが限界で、これ以上眠らずにいれば精神錯乱をひき起こす。人が睡眠をとらねばならない理由として、睡眠が不足すると、脳組織中に有害な物質が増えるからであるといわれている。睡眠中に成長ホルモンが分泌されることもわかってきた。
入眠3時間後に成長ホルモンの分泌がピークになる

睡眠は、自然と眠りにつくのがよい。快適な睡眠を得るには、身体のリズムと生活をあわせ、ストレスをうまく解消し、することが勧められている。だが、どうしても眠れないときは、的松葉杖の力を借りて、急場をしのぐのも一法である。

快眠関連サイト

症状別

慢性関節リウマチ

朝方、手指のこわばりを感じたら疑ってみる

朝方、手指のこわばりを感じたら、疑ってみるリウマチは自己免疫疾患の一種で原因は不明である。わが国の総人口の0.3% がリウマチに罹患していると推定されている。

女性は男性よりもリウマチにかかりやすい。この病気の自覚症状としては、朝方の手指のコワバリが有名である。それから関節の腫脹と痛みがある。このような関節の変化はあちらこちらと関節を移動し、しかも対称的に関節が侵されてゆくのが普通である。最近ではリウマチの薬として、非ステロイド系の鎮痛抗炎症剤が多く用いられるようになった。

薬には次のようなものがある。インテバンP。このクスリはよく使われている。末稗組織でのサイタロオキシゲナーゼの作用を阻止することによってプロスタグランジン(発癌、起炎物質) の生成を抑制し、集痛と抗炎症作用を発挿するとされている。

同じょうな効果を発拝する非ステロイド系貴痛・抗炎症剤には、ナイキサン、ボンタール、などがある。なお、この病気は長い経過をたどることが多いので、医師とよく相談しながら治療することが大切となる。

頭痛

医者に見せなければ危険な「頭痛の原因となる」病気

頭痛は自覚症状として誰でも経験したことのある、もっとも一般的な痛みであるが、原因となる病気はさまざまである。頭痛の多くのものは、放置しても危険はないが、中には、生命の危険を警告していると解釈される頭痛もある。
長く続く場合、あるいは激しい痛みの場況合にはホームドクターに相談することである。
ここでは危険な頭痛の要因となるものを挙げてみる。

くも膜下出血
なんの予告もなく突然激しい頭痛が起こる。後頭部より肩にかけての筋肉が緊張して(項部強直)、ヘソを見ることができなくなる。嘔吐が始まり、意識障害も出てくる。このような場合には薬は無効で脳外科での開頭術が積極的治療となる。
脳腫瘍
腫瘍による圧迫、牽引のために痛みが起こる。この痛みは今日より明日というように日に日に強くなり、知覚、運動障害(視力低下、聴力低下、手足の運動が思うようにできないなど)が出てくる。
てんかんのようなけいれん発作を起こすこともある。初期には、皮質鎮痛剤が有効なこともあるが、だんだんとその効果はなくなってくる。早期に脳外科での手術が適応である。
脳膜炎
この場合には高熱、嘔吐、頭痛、意識障害が認められる。脳膜炎に対する原因的治療法が第一である。鎮痛剤としてはモルヒネが有効。
緑内障
眼球の内圧が高くなったために、痛みが出てくる。この痛みは前頭部痛、眼痛として訴えられる。嘔気を伴い視力、視野の障害も出てくる。放置すると失明の危険がある。一般的な鎮痛剤はほとんど無効で、痛みを取るためには、眼圧を正常値まで下げなくてはならない。
緑内障
血管性頭痛
片頭痛 この頭痛は、血管壁に分布している神経繊維が血管の拡張によって刺激されるために生ずる。炎症性疾患による高熱の際、二日酔い、一酸化炭素中毒などの頭痛はこれに相当する。片頭痛は血管性頭痛の代表的なもので、典型的片頭痛、一般型片頭痛、片麻痺型片頭痛、眼筋麻痺型片頭痛、群発片頭痛などのタイプに分けられている。
緊張型頭痛
この頭痛は頭部から肩にかけて締めつけられるような感じを伴った頭痛で、片頭痛の時の突発的な激しい痛みではない。数日、長い時には数十日も続き、後頭部、側頭部の筋肉に圧痛があり、マッサージ、上半身の体操、入浴、収縮した筋肉の過熱療法が有効である。