主婦湿疹

原因はさまざま、治療法もそれに合わせてさまざま

俗に主婦湿疹というと、家庭婦人の手に発生した湿疹をすべてそう呼んでいるようである。しかし主婦に発生した湿疹様の変化がすべて同じ症状であることもないし、また原因もかなり違ったものがあるので、治療もそれぞれ少しずつ違う方法をとらなければならない。

アトピー性皮膚円
全身性のアトピー性皮膚炎があって、その一部の手に強く症状がでてきたもので、治療はアトピー性皮膚炎に準ずることとなる。アトピーの場合、スキンケアでもかなり改善することもある。こちら
貨幣状湿疹型
この型は指や手の背側に主に小さな水疱から始まって次第に赤い斑点ができ、その中ににやはり水ぶくれができる。その紅斑は小豆くらいから大きな爪の大きさくらいまでである。
治療は、はじめはハイドロコーチゾンと鎮痒剤がよい。皮膚の末梢血管を拡張して薬物の渉透効果を助けるためにビタミンEを配合してある。
同じ薬効を持った薬にエスアランクリームがある。しかし治ってこなければ、早目に少し強力な副腎ホルモン剤で薬を塗ってみる。また水疱が化膿しかけているようであれば、リンデロンVG軟膏がよい。
進行性指掌角皮症
この型は男性には起こらないもので、ホルモンと関係があると考えられている。症状は利手のうちでもっとも使われる人差し指、親指などから始まって、皮膚が硬くなって指紋がなくなるのが特徴である。冬はことに症状が悪化するので、水を使用するときはゴム手袋などで手を冷やさないよう注意し、ハンドクリームなどでつねに手を保護することを心がけたい。

このタイプの皮膚炎を予防するには、すべての水仕事を短時間にすませることが必要である。それと忘れがちなのがシャンプーで、人によっては30~40分も時間をかける人がいるが、これでは手の皮膚はふやけていろいろな障害を起こす原因になってしまう。
最近では、台所用洗剤も手荒れ防止のためにいろいろ工夫されたものが売られている。それでも、いきなりスポンジにふりかけて使うようなことはやめたいものだ。使用濃度が10~20倍にもなるので、必ず規定の濃度に薄めて使用する。