慢性便秘

3日以上便秘が続くのは身体にも美容にもよくない

一般に、男性に比べて女性に便秘の人が多い。女性は運動不足に加えて、腹部の脂肪が厚いために、大腸の運動が低下し、無力化するためである。

「無力性常習便秘」を起こす。このような人は、環境が変わるだけでも便秘となる。慢性便秘には、弛緩性便秘とけいれん性便秘があるが、大多数の人は弛緩性便秘である。

また便秘には、慢性便秘のほかに大腸の器質的異常が原因のこともある。便秘は気分的に憂鬱なだけでなく、食欲不振、めまい、不眠、肌あれなどの症状を起こし、体調のバランスもくずれるので、仕事の能率はおちるし、美容上にもよくない。

3日以上便通のない時には、便秘の原因をたしかめ、治療した方がよい。便秘の治療は、緩下剤を服用するか、浣腸を行う。

慢性の便秘によく効く漢方薬配合のクスリ

便秘・下痢

慢性便秘(無力性常習性便秘)の人は、毎日の生活を規則正しく、全身の筋肉を使った運動をするとよい。運動は消化器機能を完進させる働きをする。食事は食物繊維 の多い野菜、果物と水分を多くとる。
ハチミツ、冷たい牛乳なども効果的である。できるだけ、1日1回の規則正しい排便の習慣をつけ、とくに朝あるいは夜の決まった時間に排便する習慣をつける。
ただし便意のないのに長時間頑張って腹圧を高めることは、痔の原因になるので用心する。
便秘薬を使わない自然排泄にこだわるなども参考に。

それでも効果のない慢性便秘には、緩下剤といわれるゆるやかな作用をもった下剤が用いられる。服用して5~8時間ぐらいすると、便通があってスッキリする。緩下剤には漢方薬を主としたものが多い。

七ふくは、漢方薬のオウレン、ダイオウ、オウゴン、アロエを成分とし、大腸を刺激してその運動を促進して便通を起こす。

複方毒掃丸にはダイオウ、センキュウ、カンゾウ、サンキライ、コウボク、エイジツなどの漢方薬が配合されていて、おだやかな作用で排便を促進する。

便秘を治す生活習慣

排便習慣は便秘の場合に特に大切である。朝食は量質ともに充分にとり、食後10~30分に起こる便意を抑えないでトイレに行く習慣をつけることが大切である。

胃に食物が入ると、腸の蠕動運動が強く起こり、これが便意となる。日常生活での節制( 睡眠、食事、仕事、運動の適量) を心掛けるならば、一定の時刻になると便意が強くなって、排便習慣がついてくる。

時間ぎりぎりまで寝ていて、朝食はパンひと切れですませ家を飛び出てゆく人には、朝食後の排便習慣は無理である。少なくても家を出る一時間前には起床する習慣がまず必要である。
内外のストレス等による、けいれん性便秘の食事は腸管に刺激的に働く食品を避ける。刺激的な食品としては、香辛料、消化の悪い食品を挙げることができる。
便秘になる代表的な原因は

便秘薬を使えない人にすすめたい薬

妊娠するとよく便秘するが、妊婦は下剤や浣腸はさけ、食事でコントロールするようにつとめる。冷たい牛乳の飲用などがすすめられる。
下剤や浣腸は早・流産の原因となることもある。甜緩下剤は、胃のX線検査でバリウムを飲み、それで便秘になった時にも用いられる。ふだんから便秘ぎみの人は、バリウムを飲んだ後で、すぐに緩下剤を服用しておくと、バリウム塊による閉塞を起こさないですむ。

浣腸は、本当に困った時だけに使うようにする。

便秘がちの人、胃腸の弱い人は、いろいろと胃腸薬と呼ばれているものを常用して、その副作用でますます胃腸の状態を悪くすることがある。

薬には連用すると悪い結果の出てくるものが多く、安心して常用できるものは少ない。ただし酵母製剤と呼ばれるものは、常用しても悪い副作用は認められない。
酵母は、ビール工場で麦芽を発酵させて作られるビールのカスの中に入っている。この成分には、ビタミン、アミノ酸、たんばく質、ミネラルなどを含んでいるばかりでなく、消化酵素のジアスターゼ、リパーゼ( 脂肪分解酵素)なども含まれており、消化を助け、食欲を増進し、便通をととのえる。
サプリメントの活用で腸の掃除(ビール酵母)